アメリカのオーランドで起きた乱射事件の犠牲者を追悼するイベントが世界各地で行われている。フェイスブックではプロフィール画像をレインボーフラッグに再びできる機能がついた。演劇の祭典トニー賞授賞式で追悼の意が述べられた。ブロードウェイではスター総出演でオーランド追悼曲シングルを今月20日(2016年6月)に配信すると発表している。キャロル・キングやアナ雪のイディナ・メンデル、グロリア・エステファンなど60人以上がバート・バカラックの名曲「世界は愛を求めている」を歌うという。
被害者が色眼鏡で見られる心配
ただ、事件の報道を見ていると妙な違和感を覚える。現場が特異な場所として日本では報道されているような気がするからだ。同性愛者向けのクラブと新聞・テレビ・ラジオは報道していて、これがことさら被害者たちを色眼鏡で見る意識を向けているような気がしてならない。
これについては、読売新聞のコラムで現場のクラブはもっとオープンな場所であり、表現の仕方で印象が変わってしまっていると意見が出ていた。単にナイトクラブで何ら間違いはないし (海外メディアの日本語版を見てみると、見出しには「ゲイクラブ」「ゲイ・ナイトクラブ」「ナイトクラブ」などと表記され、記事を読み進めると同性愛者たちが集まるクラブと書かれている)、かといってLGBTのナイトクラブでは、日本の多くの視聴者は「なんのこっちゃ?」と理解がついていかないのも事実だろう。
事件の真相は容疑者が射殺されたことで謎だけど、容疑者本人もゲイだったことで複雑なLGBTの現状が浮き彫りにはなっている気がする。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。