IT(情報技術)のプロであるヴィディアが、ハッキングでキーパーソンを割り出し、地元の警察官と事件の核心に迫っていく。情報局の捜査員による妨害。協力者を次々葬る殺し屋たち。自らの身にも迫る魔の手。さまざまな困難に突き当たりながらも、ヴィディアは屈することなく、謎の解明に向かって突き進んでいく。
すでにハリウッドでリメイクも決定
スピーディーな展開と切れ味良い演出。「ボリウッド」のトレードマークだった歌や踊りは影を潜め、怒涛のエンディングまで一気に突っ走る。終盤のクライマックスでは、二重三重の大どんでん返し。
なぜヴィディアの夫は見つからないのか。ヴィディアの捜索活動に邪魔が入るのはなぜか。すべての謎が解かれ、真実が浮かび上がるラストに、思わず心の中で「やられた」と叫んでしまった。回収されて初めて気づく伏線の存在。壮大なトリック。まんまとだまされた。お見事。脱帽である。
タイトルの"女神"とは、ヒンドゥー教の戦いの女神ドゥルガーのこと。美しい容姿と激しい気性を兼ね備えた女神とされ、ヴィディヤー・バーラン扮するヒロイン像に重ね合わされている。
インドのアカデミー賞と称されるインド・フィルムフェア賞で、監督賞、主演女優賞など5部門を制覇。すでにハリウッドでリメイクも決定している話題作だ。
「女神は二度微笑む」(2012年、インド)
監督:スジョイ・ゴーシュ
出演:ヴィディヤー・バーラン、パラムブラト・チャテルジー、ナワーズッディーン・シッディーキー
2015年2月21日、ユーロスペースほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。