ホテルオークラ東京で、2011年2月27日まで開催しているチャリティー展覧会「名家の逸品　母から娘へ」が好評を博しています。5日間で延べ1万人の来場者を記録した前年の「名家の逸品　礼の家・宴の美」に引き続いて、企画されました。

尾張徳川家分家に伝わるレシピノート

会場には、徳川宗家に伝わる雛人形、前田家の「新年御献立帳」、松平家の指輪やブローチなど、母から娘へ代々受け継がれてきた「名家」の品々が展示されています。来場者の多くが40代以上の女性。由緒正しいお嬢様の世界、女性の憧れは根強いようです。

見ているだけではなく実際に、「古き良き時代」のお嬢様スタイルで結婚式を挙げたいと願う女性が増えています。

アンティーク衣装のレンタル、復刻リングも

豪華な金の刺繍が雅やかな色内掛

銀座で呉服の販売・レンタルを行う「衣裳らくや」では、豪華なアンティークの内掛や振袖のレンタルが人気です。当時の技術の粋を集めたものばかりで、中には宮家から下賜（かし）されたといわれる衣装もあります。遠目でも分かる大胆な柄の刺繍が派手すぎず、どこか落ち着いた気品を感じさせるのは「ホンモノ」ならではです。

中には、レンタルするだけで30万円を超える豪華な打掛、振袖も！　お店の人は、身内だけで挙げるシンプルな結婚式でも、衣装だけはこだわりたいという花嫁が多いと話します。利用者の多くがファッション感度の高い30代以上の女性です。伝統的な角隠しをつける人もいますが、モダンなヘアスタイルと合わせる人が目立っています。

大正時代のデザインを復刻した「菊爪リング」

また、明治25年創業の老舗ジュエリー店「GINZA TANAKA」は、2月23日からちょっと変わったデザインのダイヤモンドリング「菊爪リング」を発売しました。宝石を固定する爪に、「菊爪」と呼ばれる日本独特の様式が採用されており、真上からみるとちょうど菊の花のような形をしています。これは大正時代にパールと金で作られたモデルを、0.25カラットのダイヤモンドとプラチナに変えて復刻したもの。アンティーク風の婚約指輪を探すカップルをメーンターゲットとして開発したそうです。価格は27万円。

伝統と歴史に裏打ちされた品々は、いつ見ても素敵なもの。流行に左右されない安定感が、永遠に変わらない愛を連想させるのかもしれません。