食べられるハイブランド「LE CAFE V」で内側からアップグレード【辛酸なめ子の東京アラカルト#64】
珠玉のメニューで、毎日が記念日感覚に
しかしメニューを開くと1ページ目に、ヴィーカフェラテ1800円、カフェアメリカーノ1800円、エスプレッソ1800円、と、アッパーな価格が並んでいました。
意を決してロイヤルブルーティーをオーダー。渋みがなくまろやかで、上品な香りが抜けていくテイストでした。

(まるでシャンパンのように注がれる高級なお茶、ロイヤルブルーティー)
ちなみにメニュー名の頭に「ヴィー」と入っているものは、モノグラムのラテアートが入るそうなので、ヴィトン好きの人には「飲めるモノグラム」としてそちらの方がおすすめです。ワインやシャンパーニュなども充実。

(ルイ・ヴィトンのトランクが並ぶ前には、チョコレートの販売ケースが。食べられるモノグラム、貴重です)
食事もSUGALABOオーナーシェフ須賀洋介氏が考案したメニューなので、どれも最高級なおいしさを予感させます。

(ケースに飾られていた食事の見本。豊かさのアバンダンスエネルギーが渦巻いています)
地鶏胸肉、ゆで卵、自家製ハム、季節野菜などが入ったSalade Vは3600円。前菜の、フランス・バイヨンヌ産生ハムは3800円。限定5食の和牛ハンバーガーは3900円、など。
トイレに行く時にチラッと見えたのはかなり広くて本格的な厨房。こちらはぜひ特別な日に利用したいところです。
店内では、モデル風の美しい女性たちのグループや富裕層マダムたちが、とくに特別な日ではなくても高級ランチやスイーツを楽しんでいました。
デザートも、山梨 宝桃園の白桃を使ったピーチメルバ3400円、宮崎マンゴーのかき氷3800円など、気になるけれどなかなか手が出ない魅惑的なメニューの数々が。(※この2商品はともに販売を終了しています)
そんな中、かなりのお客さんが頼んでいたのが、作りたてのミルフィーユ2400円です。ふと見たら、小学生くらいのお子さんとお母さんが1人1個頼んでいました。格差社会......。

(大人気だったメニュー「作りたてのミルフィーユ マダガスカル産バニラのクリーム」)
ちょうど同席者がこの高級ミルフィーユをオーダーしてくれたので、一口食べさせていただきました。
パリパリの新鮮な皮の間に、2種類の球状のクリームが密集して挟まっているのですが、その球一粒一粒がかなり濃密です。球の数が48として、2400を48で割ると......1個50円だとしたら全然納得できます。とにかく今まで食べた中で最も濃厚で深い味わいのミルフィーユでした。
貧乏性なのでメニューを見て価格帯に驚いたのですが、銀座という立地でこの素敵空間で、クオリティーの高さを思うと、むしろコスパが良いのでは?と思えてきました。
ハイブランドを吸収し、しばらく数時間は内側から輝きを放てそうです。

(トイレの洗面台も素敵すぎました。運気上がりそうです)
辛酸なめ子
東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デ ザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著に、『ヌルラン』(太田出版)、『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』(PHP研究所)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)『愛すべき音大生の生態』(PHP研究所)などがある。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。