辛酸なめ子の東京アラカルト
漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが注目する東京のお出かけスポットやイベントを紹介。辛酸さんならではの視点、現地でのエピソードに思わずニヤッとしてしまいます。
2021/11/ 6

青山でひとときのバカンス気分に浸れる「ののあおやま」【辛酸なめ子の東京アラカルト#56】

レストランやカフェにはコスパの高いメニューも

(「ERIC ROSE」の居心地が良い店内。アメリカの海辺の空気を感じます......)

気軽に利用できるお店としては、「ERIC ROSE」というおしゃれカフェが。スターバックス創業メンバーのエリック・ローズ氏が自分の名を冠したカフェを出店したそうです。

世界中からオファーがあっても首を振らなかったエリックが満を持してオープンしたという情報を目にしたので、多少高くてもありがたみがあります。ドリンクは600円台が多いです。自家製レモネードやアプリコットスコーンなどをオーダーしたら、自然な甘みがあり、洗練された味でした。

(スコーンは砂糖を使っていないそうで優しい甘さのギルティーフリーテイスト)

よく見たら電源のある席や無料Wi-Fiまであって、自然豊かな環境でワーケーション気分に浸れそうです。

「RACINES AOYAMA(ラシーヌ青山)」は、ブルワリーを併設したレストランで、隣にはドーナツやアイスが売られている「RACINES DONUT&ICE CREAM」もあります。

(「RACINES DONUT&ICE CREAM」で、見たら買わずにはいられないドーナツ)

(「RACINES AOYAMA」の魚介の濃厚裏ごしスープは2Pで1100円。今までのスープの中でも格別なおいしさでコスパも高いです)

「RACINES AOYAMA」で食事したところ、ナチョス700円、プロシュート1000円、海老グラタン1200円、パスタは1200円から、と思ったより手頃な価格帯でした。

(ビオトープの小川の水質は、都心とは思えないきれいさでした)

食後、ビオトープのあたりを散歩していたら、「リーリーリー」という虫の声が響いていて、やはり青山だけあって虫の声のハーモニーまで洗練されているようです。

そしてレストランのテラス席で食事している家族の会話が聞こえてきたのですが、孫らしき少年が、白髪の上品な婦人に対して「おばあさま、おめでとうございます!」と誕生日を祝う声が。「おばあさま」......。やはり富裕層の施設なのだと格差を感じました。

そんな金運に少しあやかれるかもしれないパワースポットです。

 

辛酸なめ子

東京都生まれ、埼玉県育ち。漫画家、コラムニスト。武蔵野美術大学短期大学部デ ザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著に、『ヌルラン』(太田出版)、『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後』(PHP研究所)『スピリチュアル系のトリセツ』(平凡社)『愛すべき音大生の生態』(PHP研究所)などがある。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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