ママが1番ミカタになってほしいのはパパ! ...でも「ミカタ」ってどういうこと?
子育て中のママのみなさん、あなたが1番"ミカタ"になってほしいのは誰ですか?
この質問に、こども専門写真館「スタジオアリス」の調査結果によると、89.5%が「パパ」と答えています。でもパパがミカタになるって、具体的にどういうこと?
その答えを探るべく、東京バーゲンマニア編集部は2018年8月5日、スタジオアリスが取り組んでいる「ママのミカタプロジェクト」パパセミナーに参加。兼業主夫放送作家の杉山錠士(じょうじ)さんにお話を伺ってきました。
パパが「ママのミカタ」になるとは?
スタジオアリス各店では今年3月から、マタニティママと0~1歳までの子どものいるママをサポートする「ママのミカタプロジェクト」を展開しています。店舗の授乳室を開放したり、定期的なマタニティセミナーやベビーセミナーを開催したりする中、大阪・千葉限定で開催した"パパ"に向けたセミナーが「パパセミナー」です。
今回、千葉県内で行われた「パパセミナー」には、杉山さんとあそびうた作家の福田翔さんが講師として登壇。
杉山錠士さん(左)と福田翔さん(右)
杉山さんは中学校3年生と小学校1年生の娘のパパ、福田さんは5歳の息子のパパということで、自身の経験を交えながらトークが展開されました。パパならではの子どもとの接し方や遊び方の紹介、福田さんによるあそびうたの披露など、パパ・ママ・子ども共に楽しめる内容でした。
「ママのミカタプロジェクト」パパセミナー
主夫として働く杉山さんはパパ・ママ両方の気持ちを汲み取れる、まさに両者にとって「ミカタ」的な存在。では「ミカタ」になるとは具体的にどういうことか、「ミカタ」になる・なってもらうにはどうすればいいのか、教えてもらいました。
コミュニケーションは「観察」「想像」も大事
杉山錠士さん。NPO法人ファザーリング・ジャパン関西所属の兼業主夫放送作家。フルタイムで働く妻と2人の娘を持ち、家事全般を担う。家族にスゴイ!と言われるパパになる方法を考える「スゴパパ工場」など、パパコミュニティを広める活動をしている。
――パパが「ママのミカタ」になるとは、どういうことでしょう?
杉山さん(以下敬称略):ママによって違うと思いますが、大事なのは、まずママ自身がミカタになってほしいポイントを知ることではないでしょうか。そのためには、普段からコミュニケーションをとっていないと難しいでしょうね。パパ・ママ間のコミュニケーションは、観察や想像をすることも大事です。会話はもちろんですけど、変化を見逃さない、観察をすること。人は大丈夫じゃない時に「大丈夫」と言ったり、助けてほしい時に「助けて」と言えなかったりするので。1番はやはり、ママのことを理解することだと思います。
そしてお互いに自分と一緒にいない時に相手が何をしているかということに思いを巡らせたり、相手を気にかけたりするのは大切ですね。人を変えるのは難しいですけど、自分が気付いて変わることも必要だと思います。
家事・子育ての中で何を楽しく感じるかは1人1人違うので、"こう言えばこの人はやりたいと思える"とか"何を楽しいと思うか"など、コミュニケーションの中で気付いて具体的に伝えてあげられるといいですよね。「何にもやってくれない」という不満だけでは伝わりづらいので、"お願い"ではなく"相談"というスタンスのほうが上手くいくと思います。
――パパが実際に「ママのミカタ」になるためには、どうしたらいいでしょう?反対に、ママがパパにミカタになってもらうためには?
パパが「ママのミカタ」になるには、落ち着くことが大切だと思います。一般的に女性が感情的であるならば、男性は客観的であるべきかと。女性が感情を出し切ったのを見届けたうえで、前向きに冷静なアドバイスを短く、自分もできていない前提で伝えられたら上から目線にならなくていいと思います。また5年後、10年後、家族にはさまざまな変化が訪れるので、長期的なスパンで考えたり先のことを見通したりするのは男性の方が得意とする人が多い気がします。
それから平日丸1日家にいて、朝から晩まで子どもと一緒に過ごしてみてほしいです。何が分からなかった、何ができなかった、何ができたかをチェックすると、自分の得意・苦手も分かります。やり方が違っても、ママはそれを絶対に叱らないようにした方がいいと思います。
ママがパパにミカタになってもらうために大切なことは、愛することじゃないですかね(笑)。たとえパパが上手くできなくても、パパはダメな人ではないので。家事・育児ができるパパ、社交性のあるパパがいいという風潮がありますが、その人の得意なことをちゃんと見てあげることが大事だと思います。そして気付いて褒めることで、パパのモチベーションはあがります。
――スタジオアリスの調査によると、現在「パパコミュニティ」に参加しているパパはわずか6.5%。「パパコミュニティ」の場を提供している杉山さんとしては、この数字をどう思われますか?
だいたいそんなものだろうな、と。残念ですけど。大人になってから仕事以外で友達ができる機会は多くないので、家庭や育児に関する悩みや困りごとを相談できる人がいたらという思いで活動しています。純粋にパパ友の楽しさも伝えたいです。
パパ同士はまず飲みに行くのが一番ですね。そして大事なのが名刺交換。普段からビジネスの場で、名刺の情報だけで会話を広げることに慣れていますから。お酒が入ると、コミュニケーションも活発になっていいと思います。
ママ友・パパ友をつくる秘訣は、その子どもと仲良くなることだと思います。会話のきっかけとして、子どものことを褒めると一気に距離が縮まりますよ。
――最後に全国のパパ・ママにメッセージを。
うちはうちで他の家庭と比べず、満点を求めないことですかね。最低限の赤点を決めて、それを超えたらあとは全部加点する。満点を求めると、できなかった時にどんどん劣等感を抱いてしまいますけど、加点していけばやった感もありますし、前向きに家事・育児に臨める気がします。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。