不透明なお金が動く世界
もっとお金があればなぁ。なんで現場に予算回してくれないのかなぁ? と理解に苦しむことが多々あります。たとえば、趣味が悪くて誰がどう使うんだ? とこれまた頭を捻ってどう考えても、それをもらって喜ぶ対象者の顔が見えない番組のグッズ。クリアファイルや付箋だったらまだ使い道はある。でも、いまどき番組ロゴがでかでかと書かれた缶バッチって欲しいですか? あとは毒々しいまで発色するオレンジの布地に番組ロゴが書かれたナップサック!!薄っぺらい布の四隅にひもを通して巾着型にして肩に背負うアレです。小学校の家庭科の授業で裁縫の一環で作った気もしないでもないですが、あんなものを背負っている人を今この2017年に見ますか? 小学生でも見ないですよね。もし自分の家族や友人でナップサックを背負っている人を見かけたら、恥ずかしくて失神してしまいそうです。あとは、レコード会社が出すアーティストグッズも本当にくだらない代物が多い。いずれも100円ショップで売られているものにロゴやサインをプリントしたぐらいのものが溢れています。
安っぽい置時計や絆創膏に折り畳み式の鏡、マグカップ、大雨には適さないペラッペラな生地の折り畳み傘、ハンドタオル・・・あげればキリがありません。コンサートなどで売っているアーティストグッズとはまた別モノで、歌手のイメージや新曲のイメージにひっかけて作られるこうした販促品は、よく関係者に配られたりもします。正直、いらね~!と一目見て思うし、代理店からそそのかされて放送局レコード会社、芸能事務所が作っているんだろうなぁと判断できます。既存の商品にプリントするものを変えればいいだけと素人目にもわかるからです。さぁ、ここにいったいいくら経費をかけているのでしょうか。
この販促やPRに不透明なお金ってずいぶん流れているようなんです。アパレル会社の友人に聞いてみました。たとえば、今ではちゃんとPRと銘打って宣伝してもらうインフルエンサーの方々。商品をタダでプレゼントしたうえに中古車1台分ぐらいのお金を払っているらしいです。他では、海外で撮影をするパンフレット。これには地方都市で一軒家が買える金額が動くそう。ちなみにその実態は、チャチャっと撮影して、ほとんど旅行みたいなもんだと言ってました。また、本来商品を使ってほしい、使いたいと思っているコアターゲット層はいるけれど、まずは万人に知ってもらいたいと著名タレントを起用してのCM撮影。タレントのギャラを聞くと、都内一等地高級マンションの高層階が買える金額でした。
どこからともなく現れ、大金かっさらう人
ここまで代理店やPR会社を悪者にしている感じですが、当事者に聞くとこれまた不透明なお金が流れているようです。PR会社の友人曰く、クライアント側から提示された金額で業務遂行する中、突然どこからともなく現れてクライアント側、もしくは媒体側から大金をかっさらっていく人が多くいるというのです。どういった職種かは言いませんが、別ルートで入り込んで私腹を肥やしているんだとか。カツカツの予算で制作しているテレビ番組ではありえない!と憤慨したのですが、よくよく考えれば思い当たる節はありました。たとえば、取材相手に出演交渉を打診した時に、いくら払えばいいですか? と金額を問われた経験です。地方の個人商店や中小企業に多いのですが、何度か支払額を聞かれ驚きました。当然、番組に商品を出してもらう際、制作側が金額を請求することはありません。こういった時、誰かが番組に出してあげるからお金ちょーだい!と言ってるんだろうなと気づくのです。
本当にお金の流れって不透明でよく出来ている仕組みなんだと思います。誰かさんと誰かさんはWINWINになっていることも多いのでしょうが、いずれしても制作現場にもう少し金額がもらえれば・・・と願うばかりです。
モジョっこ
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。