ニューウェーブアワードを受賞した(左から)駿河太郎、足立梨花、静野孔文監督
北海道夕張市で2017年3月2日、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017」が開幕した。国内外からのゲストが到着し屋外にしつらえられたレッドカーペットを次々に歩くと、市民が「お帰りなさい」の合言葉で歓迎した。例年通りのアットホームな光景だ。今年は期間中、84本の映画の上映と16のイベントが行われる。
市の財政破たんで休止に追い込まれ、民間の手で復活してから今年で10回目。資金難やメーン会場の老朽化による閉鎖、人材不足などさまざまな困難に直面してきた映画祭が、一つの節目を迎えた。
映画祭を支えてきた人々に感謝
「お帰りなさい」と市民が出迎え
開会式に先立ち、北海道出身のGLAYの曲に乗せて夕張市の再生をアピールする映像が紹介された。名誉大会長の鈴木直道市長は「市が財政破たんしたのはちょうど10年前の3月6日。映画祭が閉幕する6日にみなさんと新たな一歩を踏み出せるのはとてもうれしい」とあいさつ。映画祭を支えてきた人々に感謝した。
開会宣言する小檜山博実行委員長
このあと実行委員長で作家の小檜山博氏が開会宣言。神山健治監督のアニメーション「ひるね姫 知らないワタシの物語」で5日間の祭りが幕を開けた。
「映画界に新たな波を起こしてほしい映画人」を表彰する「京楽ピクチャーズ.PRESENTS ニューウェーブアワード」は、俳優部門で駿河太郎と足立梨花、クリエーター部門で映画・アニメーションで活躍する静野孔文監督が受賞した。駿河は「賞とは無縁だと思っていた。自分の作品を持ってまたここに帰ってきたい」と喜びを語った。
短編コンペティション部門の審査員を務める武田梨奈
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