2016/9/ 1

映画「アスファルト」/団地を舞台にした3組の男女の物語 交わることないストーリー

(C)2015 La Camera Deluxe - Maje Productions - Single Man Productions - Jack Stern Productions - Emotions Films UK - Movie Pictures - Film Factory

フランス、パリ郊外のさびれた団地。奇抜な物語を紡ぐのは3組の男女。車いすの男と夜勤の看護師。落ちぶれた女優と留守番の高校生。アルジェリア移民の女性と米国人宇宙飛行士。団地に住む以外、彼らに共通点はない。交わることのない3つのストーリーには、「再起」のメッセージが込められている。

宇宙飛行士が団地の屋上に着地した

団地の住人会議。議題は故障したエレベーターの修理費だ。2階に住むスタンコヴィッチ(ギュスタヴ・ケルヴァン)は支払いを頑なに拒む。費用を分担しない代わりに使用しないと約束する。しかし皮肉にもけがを負い、エレベーターが必要な生活になってしまう。そこで誰もいない深夜に人目を盗んで外出し、行きついた病院で夜勤の看護師(ヴァレリア・ブルー二・テデスキ)に出会う。

(C)2015 La Camera Deluxe - Maje Productions - Single Man Productions - Jack Stern Productions - Emotions Films UK - Movie Pictures - Film Factory

いつも家で留守番している高校生のシャルリ(ジュール・ベンシェトリ)。ある日隣に中年女性が越してきた。慣れない団地で困る彼女を助けるうちに、かつて名を馳せた女優ジャンヌ・メイヤー(イザベル・ユペール)だと知る。シャルリは出演作を観て絶賛し、ジャンヌは自信を取り戻す。以前演じた劇の再演を知り、再びヒロイン役を目指すジャンヌだったが──。

米航空宇宙局(NASA)の宇宙飛行士ジョン・マッケンジー(マイケル・ピット)が団地の屋上に着地した。フランスに着陸したことに取り乱すジョンは、最上階の部屋で電話を借りる。部屋の主はアルジェリア移民のマダム・ハミダ(タサディット・マンディ)。マダムは数日間ジョンをかくまうようNASAに頼まれる。言葉が通じない二人の共同生活が唐突に始まる。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]しかし確かに「そこ」に存在する
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