2016/8/ 7

映画「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」/マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督に聞く

テロ以降、映画に対する反響は大きい

ゲゲン先生が用意した答えは、ホロコーストを生き延びたズィゲル氏の講義だった。当初は「自分が出る意味が分からない」と出演を拒まれたという。何度も「映画ならあなたの人生の戦いをより多くの人に伝えられる」と説得を試みて実現した。作品を観たズィゲル氏は「完全に理解した」と話したという。

「彼は自身の息子がこの映画をいかに誇りにしているかを感じたそうです。さらに一緒に観た観客の反応を見て、自分が出た意味を瞬時に理解してくれました。彼が受け継ぐもの、相続するものが、映画の中に存在しているのを見出してくれたのです」

フランスでは昨年以降、大規模なテロが相次ぎ、他者への不寛容が重い問題として人々にのしかかっている。

「テロが起きて以降、この映画に対する反響は大きくなりました。事件によって同じ作品でも反響や評価が変化します。学校の中では人種差別や偏見がありますが、そういうことは二度とあってはならないと思います」

「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」(2014年、フランス)
監督:マリー=カスティーユ・マンション=シャール
出演:アリアンヌ・アスカリッド、アハメッド・ドゥラメ、ノエミ・メルラン、ジュヌビエーブ・ムニシュ、ステファン・バック
2016年8月6日(土)、YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町、角川シネマ新宿ほかにて全国順次公開。作品の詳細は公式サイトで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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