事故が起これば韓国も日本も安全ではいられない
──「STOP」は衝撃的な内容が影響したためか、現時点で日本での配給は決まっていない。5回目の「3.11」を前に、日本で上映できた意味は大きかったのではないでしょうか。
私がこの映画で伝えたかったのは、最悪の事故を防ぐために、電気を節約し、原発の再稼働を最小限にし、代替エネルギーを開発する努力をしてほしいということだ。世界の原発は10年後に今の2倍の1000基に達し、中でも中国では180基が建設予定だという。特に中国は東海岸に多くの原発を建設しているが、そこで事故が起これば韓国も日本も安全ではいられない。私は自分や家族、友人たちが安心して暮らせる世の中を望んでいる。
──韓国の映画界では、旅客船「セウォル号」関連のドキュメンタリー映画の上映をきっかけに釜山国際映画祭の実行委員会側と行政側が対立するなど、言論の自由を脅かす問題がしばしば取り沙汰されていますね。
これまで政界は映画産業に金を出してきたが、発言権はなかった。「金も出すが口も出す」という考え方になっているのかもしれない。ただ文化への圧力は許されない。時代の矛盾を切り取る表現に対し、検閲はあってはならないことだ。
記事提供:映画の森
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