肌の老化、皮膚がんのリスクも...... ジェルネイルに潜むこれだけの「危険」
素敵なデザインが施された、ぷっくりツヤツヤの自分の指先って見ているだけでテンション上がりますよね。「次はどんな色にしよう? どんなデザインにしようかな?」と考えるのもジェルネイルの醍醐味です。
でも、もし、ジェルネイルを続けていたことが原因で、深刻な健康被害が出てしまったら――? 今日はジェル大好きな末端美人さんは耳を塞ぎたくなってしまうかも知れない、ちょっと怖いお話をしたいと思います。
米国皮膚科学会は2016年2月2日、ジェルを固める時に使う硬化ランプの紫外線には、すべての人に皮膚がんなどのリスクがあるとホームページ上で公表、安全な使い方のアドバイスをしました。
爪が緑に......皮膚がんだけじゃないホラーな病気
ジェルの硬化ランプに使われている紫外線A波は、皮膚がんやシミの元となるB波に比べて安全とされています。でも、先述の学会の専門医は、A波は波長が長い分、皮膚の奥まで浸透するので、DNAとコラーゲンを損傷し、老化を早め、皮膚がんリスクを上昇させると指摘します。LEDランプからも紫外線は出るので、より安全だと思うのは誤解だそうです。
学会はランプに合ったネイルを選ぶこと、使用上の注意、特に硬化時間を守ること、指先のない手袋を使用すること、硬化ランプを使う前に爪以外に日焼け止めを塗ることなどのアドバイスをしています。
皮膚がんや老化のリスクだけではありません。調べてみると、ジェルに潜む危険はほかにもたくさんありました。しかも、誰にでも起こり得るトラブルばかり。もし少しでも当てはまることがあったら、すぐに皮膚科など受診しましょう。
ジェルが原因で起きるトラブルの1つに"グリーンネイル"があります。緑膿菌という細菌が繁殖し爪が緑色に変色してしまう症状です。別名「爪カビ」。爪の中にカビって......。ぞっとしますよね。
原因は、自爪とジェルの間にできた隙間に水分が溜まり、細菌が繁殖してしまうことにあります。しかも、繁殖した緑膿菌は他人にもうつってしまう、やっかいなトラブルです。
ほかにも、ジェルネイルの行程に使われている様々な化学物質が原因で、赤み、痒み、水泡が指にできるなど、突然アレルギーを発祥する可能性もあります。
さらに重症なのが、爪とその下の肉がはがれてしまう爪甲剥離(そうこうはくり)です。
特に注意が必要なのはジェルリムーバーに使われているアセトン。実はアセトンは主に工業で有機溶媒として良く用いられる物質です。換気が悪いと頭痛や喉の痛みが出たり、気管支炎を起こしたりするようです。
かなり強い薬品なので、液体を入れた容器に指先をそのまま漬けるなんてもってのほか。頻繁に使いすぎると爪を乾燥させてしまい、黄ばみや割れなどのダメージを与える原因にもなります。
ほかにも、ジェルの着きをよくするための行程で、地爪を削り過ぎてしまうことで、爪が薄くなってしまうトラブルも。ネットでは「水すらしみるようになってしまった」という声もありました。
サロンは慎重に選ぶことはもちろん、ジェルをしている間は、日常生活の中で爪への負担を減らす、指先を常に清潔に保つ、食器洗いや掃除のときはゴム手袋をつける、オイルなどでケアするなど、徹底した自己管理がトラブル防止への唯一の手段のようです。
爪に何もつけないで自然の状態に戻す期間を作り、休ませてあげることも重要なようです。もちろんその間も保湿などは怠らず。
記者は今まで、「ジェルって長持ちするし、ケアも簡単(思い込み)だし、ズボラ女子の味方!」と自分に都合よく考えていましたが、実は几帳面でマメな女性の方が向いているようです。
"真のオシャレは末端から"とはよく言ったもの。実は1番手間がかかるのが、末端のさりげない美しさなのかも知れません。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。