秋ジャケが旬です。キレイなオレンジが食卓にも映え、箸が進みますよね。実はこの赤みの色素が、老化を防ぐ奇跡の物質として最近注目を集めている「アスタキサンチン」。強力な抗酸化作用で、老化を進める活性酸素から守ってくれる今大注目の物質なのです。
それだけではありません。まだまだ出てくる美容成分に、「今晩はサケ(鮭)で一品」の人が続出する予感です。
コスメマニアも注目 頭にはあの成分が
アスタキサンチンの抗酸化力は、同じく抗酸化力のあるビタミンEの500~1000倍といわれています。ベニサケの切り身一切れで、ビタミンEの豊富なアーモンド1~2キロを食べた分の抗酸化力を発揮するというから驚きです。
アスタキサンチンは肌の中の活性酸素を除去して、シミをつくるメラニン色素の形成を抑えてくれるので、美白効果があります。でも、サケの持つ美容効果はそれだけではないのです。
まず注目したいのが皮です。ほとんどが、肌にうるおいとハリをもたらすコラーゲンでできています。サケは一定の場所に留まらずに回遊しているので、海の不純物や環境に左右されません。そこで、サケ皮からとれる「マリンコラーゲン」が、牛や豚を原料にしたものより、アレルギー性が少ない、吸収率が高い、など「良質で安全」として化粧品・医療分野で脚光を浴びているのです。
皮にはカルシウムやビタミンB2も含まれているので、ぜひ捨てずに食べてください。焦げない程度にカリカリに焼いて塩を振るだけで、ご飯にもお酒にも合う一品の出来上がりです。皮ごとシチューや鍋に入れてもいいですね。
肉に含まれるDMEA(ジメチルアミノエタノール)という成分は、筋肉の弾力を助けて、肌をキュッと引き締める働きがあります。脳の集中力を高めるので、プチうつの解消にも良さそうです。
さらに、頭の部分にあるプロテオグリカンは、最近、「ヒアルロン酸より保湿効果が高く、乾燥肌にイイ!」といわれて、コスメマニアに人気の化粧品の原料成分です。今の季節、三平汁で頭ごといただきましょう。体はほかほか、お肌もぷりぷり、言うことナシです。
ほかにも認知症予防など、底知れないパワーが注目されるサケですが、弱点も。脂溶性であるアスタキサンチンは、油と相性が良い成分なので、ソテーやムニエルなどの調理法がおすすめです。ただ、焦げるまで焼くのはNG。アスタキサンチンが壊れてしまうそうです。身の赤い部分に火を通すときは、ほどよくふっくらを心がけましょう。
また、ビタミンCと一緒に食べると効果が増すそうなので、野菜と一緒に石焼鍋にしたり、ホイル蒸しにしたり。カルパッチョやマリネでサラダ風にしてもいいですね。
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