2015/10/22

<韓流ピックアップ>キム・ジェウク主演作2本、釜山で初上映 得意の日本語も披露

韓国釜山市でこのほど開かれた第20回釜山国際映画祭で、俳優キム・ジェウクの主演作2本がワールドプレミア(世界初)上映された。ドラマ「コーヒープリンス1号店」などで知られ、幼いころ日本に住んだため流暢な日本語を話すキム・ジェウク。今回は劇中見事な日本語を披露した。

1本目の「逆に近くに、回って」はチョ・ソンギュ監督の新作。監督はタイトルからも分かるように、風変わりなロマンチックコメディーを作り続けている。今回は人気グループKARAのギュリが起用された話題性もあり、上映は盛況だった。

キム・ジェウクは、シナリオ作家の現恋人(チェ・ジョンアン)と在日韓国人の元恋人(パク・ギュリ)との間で、小さな裏切りと間抜けなうそを繰り返す映画監督役。劇中、現恋人とは韓国語で、元恋人とは日本語で会話する。話す言語によって人格も異なって見えるのが面白い。本人は「二つの言語にはエネルギーの違いがあると感じるが、計算なしに自然に演じることで、それが出たのだろう」と振り返っていた。

今回初のキスシーンを演じたギュリは「コンビニで酒を買って飲んでから臨んだ」と、撮影前の緊張ぶりを告白。日本語での演技については、キム・ジェウクの完ぺきな日本語に驚いたといい、さらなる努力を誓っていた。

キム・ジェウク主演のもう1本「別の道がある」(チョ・チャンホ監督)も釜山で初上映された。人生に疲れた男と女が自殺サイトで知り合い、冬の田舎町でともに死のうとするシリアスなストーリー。キム・ジェウクの役どころは、幼いころの体験で心に深い傷を負い、夢も希望もなく毎日を過ごす警察官だ。相手役はソ・イェジが務めた。

二人はインターネットで自殺の場所や方法について綿密に打ち合わせたものの、ちょっとした行き違いから一緒に自殺することはできず、それぞれに死のふちをさまようことになる。先に覚醒した男は「これからどう生きるべきか」という問いに一つの答えを見出す。

重いテーマでありながら、絶望の先に必ず希望があるというメッセージが強く伝わる作品だ。会場で観客とともに鑑賞したキム・ジェウクは「シナリオに力があった。気張らずに演じたことで主人公の感情がうまく出せたかもしれない」と語っていた。


記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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