「猟奇的な彼女」(01)、「僕の彼女はサイボーグ」(08)の韓国クァク・ジェヨン監督の最新作「風の色(仮)」が2015年4月24日、東京で撮影を終了した。「僕の彼女はサイボーグ」同様すべて日本で撮り、出演者も日本人だが、中国などアジア圏全体での公開を視野に入れている。
北海道を訪れた東京の男性が、亡き恋人にうり二つの女性に出会う。女性の方も彼がかつての恋人にそっくりなことに戸惑っていた――クァク監督得意の時空を越えたラブストーリーだ。
07年にクァク監督が脚本を書くため北海道を回り、09年には冬の札幌市に1カ月滞在してイメージをふくらませた。企画から8年、今年3月上旬に札幌でクランクイン。4月にかけて道内と東京で撮った。知床・ウトロの港では大がかりなセットを組み、エキストラ160人が参加。厳寒の中で徹夜の撮影が行われた。
中国で人気の古川雄輝、一人二役を熱演
一人二役を演じる主役は、テレビやドラマで活躍し中国でも人気がある古川雄輝。ヒロインにはオーディションで選ばれた若手女優、藤井武美。総勢100人のスタッフは日韓混成チームで、日本側が製作や演出、美術など、韓国側が撮影や照明、編集など技術部門を担当した。
日韓を行き来して映画製作に携わるプロデューサーの黄鎔淳氏は「互いの得意分野を生かした新しい合作形式。日本の映画業界の慣習から離れ、アジア全体に売り込みたい」と意気込む。現時点で公開時期は未定。中国や東南アジアでの来春公開を目指すという。
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