2015/1/15

映画「シン・シティ 復讐の女神」/9年ぶりの続編 毒々しく残酷な暴力描写が光る

悪に支配された街を舞台に、はみ出し者の男たちを骨太に描いた「シン・シティ」(05)。9年ぶりの続編が「シン・シティ 復讐の女神」だ。フランク・ミラーの原作に新たにエピソードを加えて描かれる。監督は前作に続き、ミラーとロバート・ロドリゲス。

ミラーの原作は米国の「グラフィック・ノベル」。すなわち大人向けコミック小説だ。映像もその特徴を生かし、モノクロ映像の光と影を強調。一部を着色した独創的タッチになっている。俳優はグリーン・シートの前で演技し、後からCGで作られた背景を重ねる。コミックと映画の味を両方引き出す手法が採用された。

ミラー&ロドリゲスの強烈な個性が炸裂

テーマはずばり復讐。ばらばらに描かれる4つの物語は、ストリップバー「ケイディ」で根がつながる。エピソードはそれぞれ並行して描かれる。まずは不届き者の金持ち学生を血祭りに上げるマーヴ(ミッキー・ローク)。続いて賭博師ジョニー(ジョセフ・ゴードン=レビット)の一発勝負。次の主人公は探偵ドワイト(ジョシュ・ブローリン)と魔性の女エヴァ(エヴァ・グリーン)。最後に街を牛耳る議員ロアーク(パワーズ・ブース)をめぐる復讐劇。

3D作品となった今回は、劇画的な立体アクションを生かすカット割り、毒々しく残酷な暴力描写が光る。前作に続いてミッキー・ローク、ジェシカ・アルバ、ブルース・ウィリスらが出演。前作のクライブ・オーウェンから役を引き継いだブローリン、若手のゴードン=レビットら、曲者俳優が顔をそろえた。ミラー&ロドリゲスの強烈な個性が炸裂し、毒気たっぷりの犯罪アクションに仕上がっている。


「シン・シティ 復讐の女神」(2014年、米国)

監督:ロバート・ロドリゲス、フランク・ミラー
出演:ミッキー・ローク、ジェシカ・アルバ、ジョシュ・ブローリン、ジョセフ・ゴードン=レビット、ロザリオ・ドーソン
2015年1月10日(土)、TOHOシネマズ スカラ座ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

人気キーワードHOT

特集SPECIAL

ランキング RANKING