2014/10/18

映画「自由が丘で」/加瀬亮、酒の撮影裏話 「飲んだら無意識の動きが多くて...」

第19回釜山国際映画祭では、海外で高い評価を得るホン・サンス監督とキム・ギドク監督の新作がそろって上映された。ホン監督の「自由が丘で」(12月13日日本公開)の上映後には主演の加瀬亮も舞台あいさつに登場。ホン・サンス作品になくてはならない飲酒シーンの撮影秘話も披露した。

一緒に仕事ができて幸せ

「自由が丘で」は、年上の韓国人女性(ソ・ヨンファ)を追ってソウルを訪れた日本人モリ(加瀬)の恋愛模様を描く。モリが偶然立ち寄るカフェの女主人をムン・ソリが演じる。

加瀬とホン監督の出会いは一昨年の雑誌の対談。喫煙所で休憩中に「一緒にやろうか」と声をかけられたことがキャスティングのきっかけだった。以前から監督のファンだったという加瀬は「一緒に仕事ができて幸せ。ホン監督の映画は、きちんと耳を傾ければ自分に返ってくるようなせりふが多い。ぜひそういう見方でこの映画を見てほしい」と笑顔で話した。ホン監督も「加瀬さんは仕事にまじめに取り組むし、まるで欠点がない人だ」と絶賛した。

ホン監督お得意の飲酒シーンについて、加瀬は「酒はそんなに飲めないと言っておいたはずなのに、まるで聞いていなかったかのように酒が用意されていた。飲んで演技をしたところを後で見たら、無意識の動きが多くて面白かった」と笑いを交えて振り返った。

モリに恋心を抱くカフェの女主人役のムン・ソリは、加瀬とは1974年生まれの同い年だが、痩せていて骨格が細い加瀬のことを「弟のように感じていた」という。モリをとりまく人々の会話はほとんど英語で進行するが、初挑戦の英語の演技については「初めて箸を使う人のように難しかった」と回想。また、ラストの寝起きのシーンは、飲酒シーンの撮影のあと酔って休んでいたところを監督に起こされて撮った"本物の寝起きシーン"であることを明かした。

ホン監督の「へウォンの恋愛日記」で、不倫の恋に悩む女子大生へウォンを演じたチョン・ウンチェも出演しているが、今回はあまり重要な位置を占めていない。ホン監督は「撮影しているうちにソリの比重がだんだん大きくなってウンチェの出番が減り、気づいたら取り返しがつかなくなってしまっていた」と告白。会場を笑わせていた。

「自由が丘で」は2014年12月13日、シネマート新宿ほかで全国順次公開される。


記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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