幼い時に宇宙人に誘拐されたピーター・クイル。今や宇宙をまたにかける冒険家となり、"スター・ロード"と名乗る男に成長した。巨万の富を夢見るピーターは、銀河滅亡の力を持つパワーストーン"オーブ"を盗み出す。だが、オーブを狙う悪党たちに狙われ、宇宙存亡をかけた戦いに巻き込まれる。
70年代のアメリカン・ヒットソングが刺激的
「X-メン」、「スパイダーマン」、「アイアンマン」、「アベンジャーズ」など自社製コミックを映画化し、ヒットを連発するマーベル・スタジオ。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」は銀河系を舞台にヒーローたちが悪と戦う。いわば「アベンジャーズ」の宇宙版的な作品だ。「アベンジャーズ」の主人公は知名度抜群だが、こちらは無名の型破りキャラクターを集めた。
ピーターには「ゼロ・ダーク・サーティー」(12)の若手で売り出し中のクリス・プラット。美しき女性暗殺者ガモーラには「アバター」(09)のヒロインで知られるゾーイ・サルダナ。宇宙最強のアライグマ"ロケット"の声は「世界にひとつのプレイブック」(12)のブラッドリー・クーパー。心優しき樹木型ヒューマノイド"グルート"の声に「ワイルド・スピード」(01)のヴィン・ディーゼル。さらにグレン・クローズ、ジョン・C・ライリー、ベニチオ・デル・トロ、マイケル・ルーカーらベテラン個性派俳優が色を添える。
音楽も印象的だ。幕開けで流れる「10cc」の名曲「アイム・ノット・イン・ラブ」のほか、1970年代のアメリカン・ヒットソングが効果的に挿入される。ピーターの亡き母がカセットテープを残し、入っている曲が彼を元気づける設定のためだ。同時代を過ごした音楽ファンの涙腺を刺激するだろう。
監督・脚本はホラー・コメディー「スリザー」(06)でデビューしたジェームズ・ガンコミカルな作品が得意で、今回も漫画的世界をCGを駆使した実写映像化した。破天荒なピーター、全身緑色の暗殺者、ハイテク機器を操るアライグマ、復讐に燃える怪力の破壊王など、アニメから飛び出したようなキャラが縦横無尽に暴れまわる。
クライマックスの宇宙船の戦い、単純明快なドラマとキャラクター。元祖SF冒険譚「スター・ウォーズ」シリーズに匹敵するスケールだ。すでに予定されている続編が楽しみだ。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」
監督:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デビッド・バウティスタ、ビン・ディーゼル、ブラッドリー・クーパー
2014年9月13日(土)、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。