桜庭一樹の直木賞受賞作の映画化「私の男」の公開直前プレミア試写会がこのほど東京・新宿で行われ、主演の浅野忠信、二階堂ふみ、高良健吾、藤竜也、熊切和嘉監督らが舞台あいさつした。
二階堂ふみ「運命的なものを感じていた。監督の現場に行けるだけで幸せ」
北海道の雄大な自然を背景に、孤児になった少女と引き取り手になった遠縁の男が、寄り添うように生きる姿を通し、究極の愛と官能に踏み込んだ作品だ。浅野は「非常に寒い中での撮影。役に没頭できた。40歳になり、今の自分にしか演じられない役で感謝している」と語った。少女役の二階堂は「私にとって運命的な作品。世の中の人に観てもらえることがすごくうれしい」と話した。
熊切監督は「今の日本では避けられがちなテーマだが、文学では描かれている。映画も負けられないと思った。すごく波動の来る人たちと一緒で、わくわくしながら撮影した」と満足気に語った。
さらに俳優生活25周年を迎えた浅野は「30代がいろいろ大変だった。苦手をどう克服し、得意なものをどう伸ばすか。40歳になったらやりたい役をイメージしていて、(今回の)脚本を見てすぐいけると思った」と出演を決めた理由を説明した。
一方、原作を中学生の時に読んでいたという二階堂。「早熟に思われがちだが、中学生だからこそ意識せず受け入れられた。熊切監督とは会った時から直感で運命的なものを感じていた。監督の現場に行けるだけで幸せだった」と話した。
また、「熊切監督の作品はずっと観ていて、自分から行きたいを思っていた」という高良。「やっと誘ってもらいうれしかった。現場の監督は湯気が出ていてかっこ良かった」と振り返った。主役二人を見守る役を演じた藤は「浅野君ど同じように、今の年しかできないジジイをやった。流氷上の撮影はあちこち穴が開いていて危険。ひざとかあちこちギクシャクした」と話し、客席の笑いを誘っていた。
「私の男」(2014年、日本)
監督:熊切和嘉
出演:浅野忠信、二階堂ふみ、高良健吾、藤竜也
2014年6月14日(土)、新宿ピカデリーほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。