2014/6/ 7

映画「ポンペイ」/クライマックスの大噴火は、最新の特殊効果が圧巻

西暦79年8月24日。イタリア・ナポリ湾に面した古代都市ポンペイは、ベスビオ火山の大噴火で地中に埋没した。映画「ポンペイ」は史実をもとにした歴史ドラマだ。自然災害を背景に、奴隷の主人公が剣闘士として戦い、ヒロインとの愛を貫く。「グラディエーター」(00)や「タイタニック」(97)の一面を持つ物語。クライマックスの大噴火は、最新の特殊効果が圧巻だ。

ドラマ「24」のジャックが悪役で出演

製作、監督は「バイオハザード」シリーズ、「エイリアンVSプレデター」(04)など、SFホラーアクションが得意なポール・W・S・アンダーソン。ヒットメーカーだけに、大災害を娯楽作を仕立てた選択は間違いではない。奴隷から剣闘士となり、親を殺した将軍への復讐を誓う主人公。奴隷仲間アティカスとの熱い友情。奴隷のマイロと裕福な娘カッシア(エミリー・ブラウニング)の身分違いの恋に、マイロの宿敵コルヴス(キーファー・サザーランド)が横やりを入れる。しかし裏では火山の大噴火が迫っていた。

噴火の予兆となる地震と地割れ、建造物の崩壊、噴火と共に巻き起こる大津波。自然災害の恐怖を再現した迫力の映像だ。しかし、災害に巻き込まれた人々の悲壮感が伝わってこない。さらに結末が分かっているため、目の前で繰り返されるつまらぬ争いには、正直やきもきするばかりである。

そんな中、大ヒットドラマ「24 TWENTY FOUR」のジャック・バウアー役で何度も国を救ったサザーランドが、権力をかさにきた憎々しい男を演じている。ヒーロー役から解放されたのか、久々の悪役に生き生きした表情だ。上映時間105分にアクション、ロマンス、自然災害などが詰め込み気味に展開する。ゲーム感覚が豊かで、ビジュアル重視の監督らしい作品となった。


「ポンペイ」(2014年、米・カナダ・独)

監督:ポール・W・S・アンダーソン
出演:キット・ハリントン、キャリー=アン・モス、エミリー・ブラウニング、アドウェール・アキノエ=アグバエ、ジャレッド・ハリス、キーファー・サザーランド
2014年6月7日(土)、TOHOシネマズ日劇ほかで全国公開(3D・2D)。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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