第67回カンヌ国際映画祭(5月14日開幕)コンペティション部門への出品が決まった「2つ目の窓」の河瀬直美監督がこのほど、東京都内で記者会見し「(最高賞の)パルムドールを目指すしかない」と意欲を示した。
コンペ部門への出品決定について、河瀬監督は「晴れやかな気持ち。そうそうたる監督たちと肩を並べて、カンヌの日差しの中に立てることを非常に喜ばしく思う。ありがとうございます」と語った。
1つの形ある賞として目指すしかないと思っている
「2つ目の窓」は鹿児島県奄美大島を舞台に、少年少女二人の初恋と成長、人生に真摯に向き合う人々の愛と無常を描いた人間ドラマ。監督自身が「最高傑作」と自負する意欲作だ。撮影を振り返って「奄美の人々の支援、スタッフの素晴らしさ、俳優陣の実力が結集した。皆があるべき場所に向かい、同じ方向を向いて走っている実感があった」と手応えを語った。
昨年はカンヌ映画祭で審査員を務めた監督。「作家としても人間としても、素晴らしい宝物をもらった。スティーブン・スピルバーグ、ニコール・キッドマンをはじめ、同世代の監督たちと一緒に世界最高峰の映画を観た。映画ってやっぱり愛がないとだめなんだ、と思った」と振り返った。
その上で、「2つ目の窓」で最も大切にしたことは「愛」と断言。「情熱やあきらめない思いを注ぐこと。この作品は世界一。カメラドール、グランプリの次はパルムドール。1つの形ある賞として、そこを目指すしかないと思っている」と自信を示した。
河瀬監督は1997年「萌の朱雀」で同映画祭カメラドール(新人監督賞)、07年に「殯(もがり)の森」グランプリ(審査員特別大賞)を獲得した。「2つ目の窓」の主演はオーディションで選ばれた村上虹郎、吉永淳。杉本哲太、松田美由紀らベテラン俳優が脇を固めている。2014年7月26日(土)、全国公開される。
「2つ目の窓」(2014年、日本)
監督:河瀬直美
出演:村上虹郎、吉永淳、杉本哲太、松田美由紀、渡辺真起子、村上淳
2014年7月26日(土)、全国公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。