2014/4/ 7

映画「パラノーマル・アクティビティ 呪いの印」/怪現象の種明かしは今後の続編で描かれる?

大ヒットシリーズ最新作「パラノーマル・アクティビティ 呪いの印」。超常現象をビデオカメラで撮るモキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)方式により世界中で大ヒットし、コンスタントに続編が作られてきた。これまでは定点カメラ撮影だったが、今回は主人公と友人の手持ち撮影。青春ホラー的な要素の濃い作品になった。

手持ちカメラで機動力を向上

2012年6月、米カリフォルニア州オックスフォード。連続怪死事件の現場からビデオテープが見つかった。撮影者はジェシー(アンドリュー・ジェイコブス)で、テープには彼自身が映っている。18歳の誕生日。腕に突然噛まれたような歯型が浮かび上がる。目から長い髪の毛が出る。映像はジェシーの体に起きる奇妙な現象をとらえていた。

テープの始まりは、高校の卒業式。他愛のない光景から、映像はアパートの隣人の「謎の儀式」に移る。ジェシーがそれを目撃した後、隣人は不審死してしまう。その後ジェシーが彼の部屋に入ると、不可解な物が見つかり、怪現象が起きる──。

手法の目新しさから大ヒットした「パラノーマル・アクティビティ」シリーズ。低予算で恐怖を押し出したホラーだったが、評判を呼ぶにつれて設定が陳腐になり、続編では風呂敷の広げ方が過剰になった。そのせいか「豪邸の内部を定点カメラで撮影」してきたシリーズが、今回は舞台を2階建てアパートに変更。手持ちカメラで機動力を向上させている。

今回の変更には、世界的にヒットした「クロニクル」(12)が影響している気がしてならない。同作は青年が謎の物体に触れて巨大な力を手に入れ、暴走して悲劇に見舞われる。やはり主観映像によるモキュメンタリーで、主人公も同じ18歳だった。劇中よく似た描写も登場し、大きなインパクトを与えているようだ。

「パラノーマル・アクティビティ 呪いの印」はシリーズのスピンオフ的作品だが、物語は根っこでつながっている。クライマックスの屋敷や幕引きには、過去の作品との関連付けが行われた。しかし最終的には観客を煙に巻き、多くの謎を残したまま。小出しにされるヒント、さまざまな記録映像から、観客は答えを見い出すしかない。怪現象の種明かしは、今後の続編で描かれるのかもしれない。


「パラノーマル・アクティビティ 呪いの印」(2014年、米国)
監督:クリストファー・ランドン
出演:モリー・イフラム、リチャード・カブラル、アンドリュー・ジェイコブス
2014年4月11日(金)、シネマサンシャイン池袋、TOHOシネマズ日本橋ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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