2014/3/13

映画「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」/大海原で遭難し一人になった男 77歳のロバート・レッドフォードの一人芝居

ロバート・レッドフォード

(C)2013 All Is Lost LLC

ロバート・レッドフォード、77歳。俳優生活50余年、数々の名作を残してきた名優が、全編一人芝居に挑んだ「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」。舞台はインド洋の大海原。一人ヨットで遭難した男が、生還に向け幾多の困難を乗り越えていく。

言葉がまったくないことが、孤独をさらに強調する

晩年を迎えた男(レッドフォード)は、ヨットに乗り、インド洋を単独航海していた。ある日、水音で目が覚めると、船室はすでに浸水。漂流していたコンテナがヨットにぶつかり、開いた穴から水が流れ込んでいた。男は水をかき出し、穴をふさぎ、なんとか急場をしのぐ。しかし、無線機もパソコンも水に浸かり、使い物にならなくなっていた。

トラブルは続く。彼方から黒雲が押し寄せ、雷鳴がとどろき、暴風雨がヨットに襲いかかる。男は必死で転覆を防ぐものの、船体は致命的なダメージを受ける。やむなく船を捨てることを決意。食料とサバイバル道具を持ち、救命ボートに乗り移る。

一難去ってまた一難。自然の猛威は容赦がない。サメに襲撃され、ボートに穴が開き、食料や水も乏しくなっていく。果たして助けは来るのか。生き延びられるのか。疲れ果てた男は空を見上げ、自らの心と対話を始める。ペンをとり、「最後の手紙」をしたためる──。

大海原でたった一人、すべてを失った男。生きるための格闘が、淡々と語られていく。全編せりふはほとんどない。カメラは男の戦いをドキュメンタリー風に追っていく。言葉がまったくないことが、孤独をさらに強調する。

レッドフォードが文字通りの体当たり演技だ。外見的、肉体的に衰えたことが、逆に演技への執念を感じさせる。俳優としてのキャリアに満足せず、監督として「普通の人々」(80)、「リバー・ランズ・スルー・イット」(92)など数々の佳作を世に送り出し、サンダンス映画祭で独立系映画の支援にも力を入れる。彼が人生をかけて注いだ映画への情熱が、今回のシンプルな一人芝居に結実している。


「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」(2013年、米国)
監督:J.C.チャンダー
出演:ロバート・レッドフォード
2014年3月14日(金)、TOHOシネマズ シャンテ、新宿シネマカリテほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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