2013/12/26

映画「ハンガー・ゲーム2」/前作よりスケールアップ 恋愛エッセンスも入ったサバイバル・アクション

ジェニファー・ローレンス主演のサバイバル・アクション「ハンガー・ゲーム2」。舞台は貧富の差が激しい近未来独裁国家・パネム。被支配地区の若者が殺し合う「ハンガー・ゲーム」で、カットニス(ローレンス)はピーター(ジョシュ・ハッチャーソン)とともに優勝する。

二人は反体制派のシンボルに祭り上げられ、優勝凱旋ツアーに旅立つ。そこで目にしたのは、独裁政権に弾圧され、苦しむ人々だった。一方、パネムのスノー大統領(ドナルド・サザーランド)は、次回ハンガー・ゲームの開催を発表。「歴代チャンピオンを集め、徹底的に戦わせる」と宣言する──。

クライマックスに多くの謎を残す形に

シリーズ第2弾は監督がゲイリー・ロスから「アイ・アム・レジェンド」(07)のフランシス・ローレンスにバトンタッチ。前作よりスケールアップして展開する。

前作のエンディングからつながる形で物語は始まる。無名の主人公が一躍有名人となり、凱旋ツアーで戸惑う様子は、シルベスター・スタローンの「ロッキー2」を思わせる。近未来のサバイバルゲームは「ローラーボール」(75)や「バトルランナー」(87)、架空国家の若者による島での殺し合いは「バトル・ロワイアル」(00)にも似ている。

歴代チャンピオンの決戦は、密林の島で行われる。大統領の目論見は、反体制派のシンボル・カットニスの抹殺だった。一方、ゲームメーカーのプルターク(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、島に奇想天外なわなをしかけ、参加者は次々と命を落とす。原作同様3部作で作られるため、今回はクライマックスに多くの謎を残す形となった。

殺人を肯定したゲームを全面に押し出す一方、主人公を少女にして恋愛のエッセンスを注入。殺伐とした作品のイメージを中和しているのが特徴だ。大ヒット作「ハリー・ポッター」や「トワイライト」同様、原作者のスーザン・コリンズは女性。"男世界"でマンネリ化したハリウッドが、活路を見出した結果なのか。既存の題材を生かしつつ、新たな視点で描かれた作品だ。


「ハンガー・ゲーム2」(2013年、米国)
監督:フランシス・ローレンス
出演:ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウディ・ハレルソン、レニー・クラヴィッツ、スタンリー・トゥッチ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ドナルド・サザーランド
2013年12月27日、TOHOシネマズみゆき座、TOHOシネマズ六本木ヒルズほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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