中国で「三国志」と並び高い人気を誇る歴史小説「楊家将」。宋(960~1279年)の建国期、北方の敵国・遼と戦った楊一族の物語だ。
楊一族は家長の父・楊業を、7人の息子たちが支えていた。戦略家で冷静な長男・楊延平(イーキン・チェン)。率直で勇敢な次男・楊延定(ユー・ボー)。弓術の天才・三男の楊延安(ビック・チョウ)。自由を愛する楽天家・四男の楊延輝(リー・チェン)。心優しく知的な五男・楊延徳(レイモンド・ラム)。槍とカンフーの達人・六男の楊延昭(ウーズン)。実直な正義感の七男・楊延嗣(フー・シンボー)。兄弟は力を合わせて父を支え、国を守っていた。
しかし、そんな楊一族の隆盛を快く思わぬ人々もいた。宰相・潘仁美の一族だ。楊家と潘家の対立が深まり、衝突が起きたところ、「北方から遼の大軍が侵入してきた」と一報が入る。先鋒隊として進軍した楊業は、敵の猛攻、潘仁美率いる本隊の撤退で敗走。楊業も大けがを負う。父の窮地を知った7兄弟は、救出のため前線へ向かうが──。
愛、勇気、信念の物語
見どころはなんといっても、中華圏を代表する人気俳優が顔をそろえたことだろう。長男役のイーキン・チェンは、歌に演技に活躍する香港のトップスター。三男役のビック・チョウは台湾の人気アイドルグループ「F4」、六男のウーズンは「飛輪海(フェイルンハイ)」のメンバー。父役は香港のベテラン俳優、アダム・チェンが演じている。
困難にさらされた父を、7人の兄弟が力を合わせて守り抜く。兄弟それぞれの描き分け、異なる持ち味を比べるのも楽しい。スケールの大きいロケ撮影も、作品に迫力を与えている。
監督はレスリー・チャン主演「キラーウルフ 白髪魔女伝」(93)、ジェット・リー主演「SPIRIT」(06)のロニー・ユー。「兄弟は『何があっても父を連れ帰る』と誓っている。自分が正しいと信じる心に従い、決してあきらめない強さ。愛、勇気、信念の物語だ」と話している。
「楊家将 烈士七兄弟の伝説」(2013年、中国・香港)
監督:ロニー・ユー
出演:ウーズン、ビック・チョウ、イーキン・チェン、アダム・チェン、ユー・ボー
2013年12月14日、シネマート六本木ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。