2013/10/ 4

映画「パッション」/初期デ・パルマ作品に通じるサスペンス バイセクシャル、同性愛などが隠し味に

「殺しのドレス」の金髪美女が再び!?

さらに物語を複雑にするのが、クリスティーナの双子の姉の存在だ。幼い頃に事故死したはずの姉が、クリスティーナの葬儀に出現。その姿はヒッチコック監督の遺作「ファミリー・プロット」(76)に影響を受けた「殺しのドレス」に登場する「黒帽子、黒サングラス、黒手袋、黒コート」の金髪美女を踏襲している。

ラストの展開と驚愕のオチも、「キャリー」や「殺しのドレス」に通じる。初期デ・パルマ作品の多くで音楽を手がけた作曲家ピノ・ドナッジオが、再び流麗なスコアを書いている。小道具のスマートフォンも最終的に大きな役割を果たす。新旧の映画的表現法を使い分け、デ・パルマ監督の魅力が詰まったスリラーに仕上がった。


「パッション」(2012年、仏・独)
監督:ブライアン・デ・パルマ
出演:レイチェル・マクアダムス、ノオミ・ラパス、カロリーネ・ヘルフルト、ポール・アンダーソン
2013年10月4日、TOHOシネマズみゆき座ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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