デジタルシネマに特化した国際映画祭「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013」が、7月12日に開幕した。10周年の節目となる今回は、80か国・地域から長編部門502作品、短編部門159作品の応募があり、審査で選ばれた各12作品、計24作品を上映する。最終日の21日にグランプリほか各賞が発表される。
オープニング作品は高齢女性の"婚活"を描いた「燦燦 さんさん」。上映前に外山文治監督、主演の吉行和子、宝田明ほか出演俳優が舞台あいさつした。
宝田明も作品に自信「この映画をアメリカに持っていきたい」
役年齢と同じ77歳の吉行は「おばあさんというと、孫の世話をしたり、たまに知恵袋を開いたりするだけで、(異性に)心を動かすことなんてない。そう思っている人が多いけれど、それは違う。おばあさんだって心は動く。監督は32歳という若さなのに、よく分かっているなと感心しました」と外山監督を絶賛。さらに「けっこうイケメンだし(笑)」と秋波を送り、女性としての現役感をアピールした。
一方、来年80歳になる宝田は「日本人は若い人に機会を与えず、伸びる才能を見過ごしがち。若い映画人には、映画祭という場で多くの人に作品を見てもらうことが大事だ。ぜひこの場を成長の踏み台として活用してほしい」と、若手監督たちにエールを送った。
5年前に同作の企画を思いついたという外山監督は「この1年で5年間の思いが一つひとつ形になっていった。奇跡的な日々だった。主人公に吉行和子さんが決まった。共演に宝田明さんが決まった。それら一つひとつが印象深い思い出になっている」と感慨深げに振り返った。
最後に外山監督は、「全国どこに出しても胸を張れる作品に仕上げたと自負している。メイド・イン・埼玉のこの映画を、広く発信できるよう応援してください」と呼びかけた。続いて宝田も、「ここには埼玉県外の人も大勢いらっしゃるでしょう。みなさんの地元の市民会館や文化会館で上映してもらえるよう働きかけてもらいたい。ぼくは、この映画をアメリカに持って行って上映したいと思っている」と、自らもプロモートに努めることを宣言した。
「燦燦 さんさん」(2013年、日本)
監督:外山文治
出演:吉行和子、宝田明、山本學
2013年11月公開。
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013は2013年7月21日までSKIPシティで開催。映画祭の詳細は公式サイトまで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。