2013/6/22

映画「10人の泥棒たち」/韓国映画史上最高ヒット "だまし合い"を魅せる監督が仕掛けた大トリック

韓国映画史上最高の1300万人を動員し、「グエムル 漢江(ハンガン)の怪物」(06)の記録を6年ぶりに塗り替えた大ヒット作「10人の泥棒たち」。マカオを舞台に韓国・中国の窃盗団が手を組み、秘宝強奪を狙う犯罪アクションだ。

マカオ・パク(キム・ユンソク)率いる韓国の窃盗団6人。パクに「新しいヤマがある」と聞かされ、向かった先の香港には、チェン(サイモン・ヤム)をボスとする中国人窃盗団4人が待っていた。"10人の泥棒たち"が狙うのは、マカオに眠る幻のダイヤ「太陽の涙」。ネオンきらめく巨大カジノを舞台に、凄腕の10人が"人生最大のヤマ"に挑む──。

主役級の俳優ずらり 個性あふれる泥棒たち

見どころはなんといっても、韓国、香港、マカオに広がる壮大なスケールと、国境を越えた豪華キャストだろう。韓国側のボスには「哀しき獣」(10)のキム・ユンソク。美貌の金庫破りに色気たっぷりのキム・ヘス、美貌の侵入のプロに「猟奇的な彼女」(01)のチョン・ジヒョン。パクと対立するのは「イルマーレ」(00)のイ・ジョンジェ。チーム一の若手に大ヒットドラマ「太陽を抱く月」(12)のキム・スヒョン。主演級の俳優がずらりとそろった。

中国側はジョニー・トー作品などでおなじみのサイモン・ヤム、若手実力派女優アンジェリカ・リー、香港のベテラン俳優エリック・ツァンの息子のデレク・ツァン。さらに韓国の演技派オ・ダルス、キム・ヘスクも加わった。

面白いのはチームが一枚岩でないところ。男女の愛憎が足かせとなり、完ぺきな計画にほころびが出始める。広がる疑心暗鬼、抜けがけを狙う面々。「ビッグ・スウィンドル」(04)、「タチャ イカサマ師」(06)で"韓国流コン・ゲーム(だまし合い)"を見せたチェ・ドンフン監督が、さらに大きなトリックに挑んでいる。

話がやや入り組み、展開がもたついた感は否めないが、俳優の魅力を楽しむだけで十分。チョン・ジヒョンの伸びやかな肢体、キム・ユンソクの計算された緩さ、サイモン・ヤムの任せて安心な手堅さ。「高地戦」(11)のシン・ハギュンが、ちらりと顔を見せるのも気が利いている。


「10人の泥棒たち」(2012年、韓国)
監督:チェ・ドンフン
出演:キム・ユンソク、キム・ヘス、イ・ジョンジェ、チョン・ジヒョン、サイモン・ヤム、キム・スヒョン、キム・ヘスク
2013年6月22日、TOHOシネマズ渋谷ほかで全国2週間限定公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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