2013/6/17

映画「ハード・ラッシュ」/伝説の運び屋が仕掛ける"ニセ札密輸" 派手なアクションにもご注目

大ヒット作「テッド」(12)のマーク・ウォールバーグが、伝説の運び屋を演じる犯罪映画「ハード・ラッシュ」。北欧の強盗映画「レイキャビク・ロッテルダム」(08)のリメイクだ。オリジナル版で製作と主演を務めたバルタザール・コルマウクルが監督を任されている。

かつて凄腕の運び屋だったクリス(マーク・ウォールバーグ)。今は足を洗い、警備会社に勤めながら家族と静かに暮らしていた。しかし、義弟のアンディがコカインの密輸に失敗。クリスはやむなく尻ぬぐいに動く。妻(ケイト・ベッキンセール)と息子二人を親友に託し、パナマ行き巨大貨物船に乗船。狙いは偽札6000万ドル分の密輸だった。

しかし、貨物船の船長(J・K・シモンズ)は、クリスの父を昔から知り、刑務所送りにした張本人だ。かたぎになった息子のクリスに疑いの目を向け、一挙一動を監視していた。一方、クリスの帰りを待つ家族に、ひたひたと危機が迫る──。

ハリウッド流の爽快なオチが重い空気を帳消しに

映画の原題「コントラバンド」は、密輸品、輸出入禁止品を意味する。クリスは雑用係として船に乗り込み、監視をかいくぐり、船内の壁にブツの隠し場所を作る。次は偽札の回収だ。停泊中に下船し、出港までに取引相手から引き取らなければならないが、想定外のトラブルがクリスを襲う。

"運び屋"を主人公にした作品はリュック・ベッソン製作「トランスポーター」シリーズが有名だが、同作のようにアクション重視、荒唐無稽な活躍をする主人公と違い、クリスは常に現実的な危険と隣り合わせである。ただでさえ危ない計画の足かせになるように、自宅の妻子にも魔の手が伸びる。ケイト・ベッキンセールが得意のアクションを封印し、虐げられる悲惨な役を演じている。

シンプルなオリジナル版を忠実になぞりながら、米国的に肉付けされている。派手なアクションを随所に挿入し、オリジナルにない派手なオチも加えられた。作戦の準備段階がやや長く地味な印象を受けるが、実行に移された後は、たたみかける展開、アクションに目を奪われる。緊張感を持続しながら、襲い来るピンチを乗り越えるクリス。全体に重い展開の中、ハリウッド流の爽快なオチがすべて帳消しにしてくれる。


「ハード・ラッシュ」(2012年、米国)
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:マーク・ウォールバーグ、ケイト・ベッキンセール、ベン・フォスター、ジョバンニ・リビシ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
2013年6月15日、丸ノ内ルーブル、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

人気キーワードHOT

特集SPECIAL

ランキング RANKING