5月31日公開の「イノセント・ガーデン」プレミア試写会が東京都内で同21日行われ、パク・チャヌク監督が舞台あいさつした。来日は3年半ぶり。ハリウッド進出作に「思春期の少女は優雅で美しいものに魅かれる。その美しさを強調した」と語った。
「キッドマンは誰よりもプロ。ワシコウスカは...地味」
カンヌ国際映画祭グランプリ受賞作「オールド・ボーイ」(03)、同審査員賞の「渇き」(09)など独自の視点と切り口で世界的に高く評価されるパク監督。今回はミア・ワシコウスカ、ニコール・キッドマンらを実力派俳優、美術と音楽に「ブラック・スワン」(10)のスタッフを起用した。
主人公は広大な邸宅に住む18歳の少女(ワシコウスカ)。父の死、母(キッドマン)との対立、叔父の出現、連続する奇妙な事件──緑が基調の洗練された映像、静ひつな空気が画面を満たし、恐怖がひたひたと押し寄せるミステリーとなっている。
ハリウッド進出で同作を選んだ理由について、パク監督は「まず主人公の少女が自分の娘と同年齢だったこと。さらに脚本(に台詞)がぎっしり詰まっておらず、"余白"が多かったこと。これなら監督の気持ちを込められると思った」と説明。演出で意識した点は「思春期の少女は世の中が俗っぽく不潔で、大人の世界は浅はかだと軽蔑している。逆に優雅で高尚な美しいものにひかれる。その美しさを強調した」と話した。
また、主演女優2人は「ともにオーストラリア出身。気さくで強い女性だった」そう。キッドマンは「普段は夫と子供のことで頭がいっぱい。まるでおばさんのようなのに、撮影が始まると誰よりもプロ。素晴らしい女優だった」と絶賛。ワシコウスカは「(撮影以外では)道を歩いていても誰だか分からないほど地味。よく気付かれずに出歩いていた」と振り返った。
最後にゲストのタレント・IMALUから花束を受け、日本の観客に向けてメッセージ。「過去の作品より残酷なシーンが少ないので(笑)、余裕をもって観てほしい。ディティール(細部)が大切な作品。小さな部分まで味わってほしい」と呼びかけた。
「イノセント・ガーデン」(2012年、米国)
監督:パク・チャヌク
出演:ミア・ワシコウスカ、ニコール・キッドマン、マシュー・グード、ダーモット・マローニー、ジャッキー・ウィーバー
2013年5月31日、TOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。