2013/5/ 1

映画「バレット」/ウォルター・ヒル、10年ぶり監督復帰で初来日 スタローンと初タッグ

シルベスター・スタローン主演のアクション大作「バレット」のウォルター・ヒル監督がこのほど初来日し、東京都内で4月22日記者会見した。1970年代以降「48時間」(82)、「ストリート・オブ・ファイヤー」(84)などのヒットを飛ばしたヒル監督10年ぶりの新作。71歳を迎えた今も「スタローンとの撮影はいい経験だった。(映画作りに)前向きな気持ちだ」と語った。

久々の現場では「自分を試す」ことも

「バレット」はスタローン演じる悪名高き殺し屋が、亡き相棒の復讐に立ち上がる様子を描く。「ウォリアーズ」(79)、「ロング・ライダーズ」(80)など一貫して"男臭い"物語を描いてきたヒル監督。スタローンとの初タッグを「とてもいい経験だった。強い個性を持つ俳優なので、普段よりリラックスして、あまり"大きく"見えないようお願いした。彼はユーモアも監督的視点も持っているため、撮影はスムーズに進んだ」と振り返った。

前作から10年のブランクについては「休む前の数作品に満足できず、少し休養が必要だと思った。10年間にテレビシリーズを手がけたりする中、また長編への意欲がわいてきた」と説明。久々の現場には「自分を試すところがあった。初監督の気分は2度味わえるものではないが、経験を積めば大体のことはできるようになる。ある程度の水準を自分に求めるようにもなる。今回は俳優を通じて、物語を伝えることはできたかな」と貫禄を見せた。

かつて黒澤明監督の名作「用心棒」(61)を、ブルース・ウィリス主演「ラストマン・スタンディング」(96)としてリメークしたヒル監督。「当時は『あの名作をリメークなんてとんでもない』と思った。自分なりの再解釈をさせてもらったと考えている。私の机の横には今も、黒澤監督の直筆サインが入った大きな写真が掲げてあるんだ」と話していた。

さらに、今後の創作活動について「前向きな気持ちだ。もう若くないが仕事を続けたい」と意欲的。今の映画製作について「大きな可能性を感じている。インディーズ、低予算映画に興味がある。iPhone(アイフォーン)で誰でも映画が撮れる時代だ。私もコンパクトな物語を撮りたい。かつて映画は特権階級が作るものだったが、これまでの製作・配給システムは終わりを告げるのでは。ただし誰でも作れるといっても、肝心なのはやはりストーリーだけどね」と語っていた。


「バレット」(2012年、米国)
監督:ウォルター・ヒル
出演:シルベスター・スタローン、サン・カン、ジェイソン・モモア、サラ・シャヒ、アドウェール・アキノエ=アグバエ、クリスチャン・スレイター
2013年6月1日、全国公開。作品の詳細は公式サイトで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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