2013/4/24

映画「ラストスタンド」/シュワちゃん御年65歳 自虐ネタをつぶやき戦う姿は涙を誘う?

米国で拘束された麻薬王のコルテス(エドゥアルド・ノリエガ)は護送中に脱走し、メキシコに向け逃亡を開始する。しかし、国境の町で元敏腕刑事の保安官オーウェンズ(アーノルド・シュワルツェネッガー)が待ち受ける。オーウェンズは"最後の砦(ラストスタンド)"となり、国境越えを阻止できるか──。

アクションスター・シュワルツェネッガー「健在」

シュワルツェネッガーは「ターミネーター」(84)で、ハリウッドのアクションスターの頂点に上り詰めた。最後の主演作「ターミネーター3」(03)まで、アクション大作に連続出演。その後カリフォルニア州知事に転身し、さまざまな作品にカメオ出演しつつ、10年ぶりの主演復帰作として選んだのが「ラストスタンド」だ。これまでに比べやや小粒な作品だが、年齢と経歴に合わせて"元凄腕の保安官"のキャラクターがあてられている。

復帰作には個性的なスタッフ、キャストが集結した。監督は韓国映画「悪魔を見た」(10)、「グッド・バッド・ウィアード」(09)のキム・ジウン。今回がハリウッド・デビューとなる。共演にはフォレスト・ウィテカー、エドゥアルド・ノリエガ、ピーター・ストーメアら、地味ながら実力ある俳優が呼ばれている。中でも注目したいのがプエルトリコ出身の名脇役ルイス・ガスマンだ。「野獣教師」(96)などB級アクション映画を中心に活躍してきた彼が、今回は主人公の相棒的な副保安官として大活躍する。

ストーリーは往年の西部劇を現代的にアレンジしたよう。米連邦捜査局(FBI)すら取り逃がした凶悪犯と戦うのは、田舎町の保安官ら5人。敵は最新兵器で武装した傭兵集団。保安官チームは銃とナイフだけ。絶対的に不利な状況だ。保安官と傭兵軍団の戦いは、闇夜を突いた傭兵軍団の奇襲で始まる。最後の砦となった国境の町・ソマートン。保安官チームは敵を自分たちのテリトリーに誘い込み、ローテクと知恵を駆使し、壮絶な市街戦を繰り広げる。

御年65歳のシュワルツェネッガー。さすがに全盛期の勢いはなく、老いた自分への自虐ネタをつぶやき戦う姿は涙を誘う。クライマックスは銃撃戦から、スーパーカー同士のカースタントに発展。最終的に正義と悪が決する一対一の肉弾戦に。アクションスター・シュワルツェネッガーの健在ぶりに焦点をあて、素晴らしいシーンに仕上がった。

オーウェンズが最後に言う「我が家は自分の手で守る」。銃社会・米国らしく、主義主張を高らかに歌った作品だ。


「ラストスタンド」(2013年、米国)
監督:キム・ジウン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、フォレスト・ウィテカー、ジョニー・ノックスビル、ロドリゴ・サントロ、ジェイミー・アレクサンダー
2013年4月27日、全国公開。作品の詳細は公式サイトで。

記事提供:映画の森

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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