世界で愛されてきたファンタジーの古典「オズの魔法使い」。少女ドロシーが魔法の国に迷い込み、夢をかなえる冒険の旅に出る。ストーリーの要となる「偉大なる魔法使いオズ」の誕生秘話を描くのが、サム・ライミ監督最新作「オズ はじまりの戦い」だ。
主人公は若き奇術師のオズ(ジェームズ・フランコ)。サーカス一座と地方巡業していたが、ひょんなことで魔法の国に迷い込む。オズは翼のはえた猿や陶器の少女を道連れに、良い魔女のグリンダ(ミシェル・ウィリアムズ)を助けるため、悪い魔女のエヴァノラ(レイチェル・ワイズ)、セオドラ(ミラ・ク二ス)姉妹と戦うことになる──。
ディズニー映画らしい後味の良いファンタジー
緑色に輝く「エメラルド・シティ」に、一行が歩く「黄色い道」。原作を彩った鮮やかな色彩は、最新の特殊効果で見事に表現されている。魔法の国を飛び交うチョウ、見渡す限りの色とりどりの草花。原色を強調した色使いが目を楽しませる。
物語をけん引するキャストも、それぞれ持ち味を発揮。オズ役のジェームズ・フランコ。どこか調子がよく、お人よしで、野心もある愛すべきキャラクターだ。原作では謎に包まれていた「偉大なる魔法使い」に、フランコの柔軟で明るい演技が新たな息を吹き込んだ。
オズを取り巻く魔女3人もぴったりだ。冷ややかな美貌のレイチェル・ワイズ、オズの"裏切り"で態度が一変するミラ・クルズ、丸顔で善人オーラ全開のミシェル・ウィリアムズ。CG(コンピューター・グラフィックス)で作られた猿と陶器の少女も、細かな表情や感情まで丁寧に作り込まれている。
最初は「善良であるより、偉大になりたかった」青年オズが、冒険を経て「本当に大切なものは何か」を知る。ディズニー映画らしく、前向きで後味の良いファンタジーだ。
「オズ はじまりの戦い」(2013年、米国)
監督:サム・ライミ
出演:ジェームズ・フランコ、ミラ・クニス、レイチェル・ワイズ、ミシェル・ウィリアムズ、ザック・ブラフ
2013年3月8日、3D・2D全世界同時公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。