2013/2/22

第23回ゆうばり映画祭 「ジャンゴ 繋がれざる者」で開幕 最多145作品上映

北海道夕張市で2月21日、第23回ゆうばり国際ファンタスティック映画祭が開幕した。

夕張地域は前夜から同日朝にかけて40センチメートル以上の雪が降り、新千歳空港からゲストを運ぶ恒例の特別列車は運休。一行はバスに分乗して会場入りした。だが、午後からは青空が広がり、新雪に太陽の光が反射する幻想的な光景に。市民は到着したゲストに黄色い旗を降って「おかえりなさい」と歓迎した。

国内映画祭で初めて全作品をデジタル上映

今年は9本の招待作品をはじめ、過去最多の145作品を13会場で上映する。「一歩その先へ」をテーマに、国内映画祭で初めて全作品をデジタル上映するなど新たなチャレンジも行う。

オープニングセレモニーでは、名誉大会長を務める鈴木直道市長が東京都庁出身という縁で、猪瀬直樹知事のビデオメッセージが披露された。猪瀬知事は「(財政問題や少子高齢化などで)日本で一番苦しい夕張から『その先へ』という言葉が出てくるのは大事なこと。夕張が一歩先に行けば、日本全体も一歩その先へ行ける」とエールを送った。

オープニング作品はクエンティン・タランティーノ監督の新作「ジャンゴ 繋がれざる者」。タランティーノ監督は1993年、デビュー作の「レザボア・ドッグス」でゆうばり映画祭を訪れ、批評家賞を受賞している。このときの印象がよほど強かったのか、2003年の「キル・ビル」では栗山千明演じるボディーガードに「GOGO夕張」と名付けた逸話もある。「ジャンゴ」の上映に先立ち紹介されたビデオメッセージでは「防寒をしっかりして、映画を楽しんで」とちゃめっ気たっぷりに語り、会場を笑わせた。

映画祭は25日まで。過疎の小さな町が5日間、映画に染まる。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

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