主人公のパットは、妻の浮気で精神を病んだ元教師。長期治療を経て退院したが、完調にはほど遠く、ちょっとしたことで感情を爆発させてしまう。周りにとって厄介この上ない人物だ。だが、そのパットすらたじろぐ女性が現れる。パットの妻の知人で、夫を亡くしたばかりのティファニー。彼女も心に深い傷を負っていた。さんざん他人を引っかき回したパットだが、ティファニーに出会って一転、振り回される側へ。
絶好調のジェニファー・ローレンス、難役を見事に好演
夫の死のショックで勤務先の社員全員とセックスし、クビになったというティファニー。初対面のパットをいきなりベッドに誘い、拒絶されると怒って平手打ちを食らわす。その"壊れ方"は、パットの上を行っている。イカれたパットと、さらにイカれたティファニー。そんな2人がペアを組み、失った人生を取り戻すべく、一世一代の賭けに出る。果たして2人の書いたプレイブック(作戦図)は勝利へ導いてくれるのか――。
序盤、何かというとすぐキレるパットの"過剰さ"に、やや戸惑いを覚えないでもない。しかし、ティファニーが登場してうまい具合にバランスが働くのか、違和感が消える。ティファニー役のジェニファー・ローレンス、パット役のブラッドリー・クーパー。コンビネーションが絶妙だ。
米アカデミー賞に初ノミネートされた「ウィンターズ・ボーン」(10)、世界的大ヒットを記録した「ハンガー・ゲーム」(12)と絶好調のローレンス。今回も断然光っている。クライマックスのダンスコンテストでは、くびれたボディーを激しくくねらせ、胸や股をパットの顔にぎゅっと押し付ける、色気ムンムンのパフォーマンスを披露。エキセントリックでありながらチャーミング。難しい役を完ぺきに演じている。
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