先日雑誌の撮影で一緒になった美人モデルさんが、可愛い私服を着ていたので「それ、どこのですか?」と聞いたら、「リリー・ブラウン」とのこと。即検索し、渋谷パルコにあることを突き止めて一週間以内に行ってきました。ほどよく流行を取り入れたフェミニンなテイストに、ヴィンテージ感が漂いながらもスカートが6000円台、ニットも10000円前後と求めやすい価格で、つい渋谷に行く度立ち寄ってしまいます。しかし客層と年齢が離れている感は否めません。
そこで先日購入した、ニットカーディガン。LOVE運が高まる気がしてピンクを選んでみました。袖の膨らみ感や、ウエスト部分の花の切替えデザインなど、ガーリーでかわいいです。そして明るい店内で鏡に向かって体に当ててみた感じでは、好印象だったのですが......。買ってから着てみたら、何かが違う。このニットを着てトークイベントに出演したのですが、被害妄想かもしれませんが、お客さんに似合ってないと思われている気がして......。何かが足りなくてかわいく着こなせないのです。肩幅? 背丈? 若さ? 通販サイトを見ると茶髪のゆるふわガールが着ていて、すごく似合っているのですが、私が着ると服が浮いてしまうことに気付きました。
今週の粗品プレゼント
切ないですが、もう年齢的に素材が相当いいものでないと厳しいのかもしれません。若い肌なら、このニットのようにアクリル85%でも着こなせると思います。でも30代になると、安い素材だと、人間がやつれて見えてしまうのです。凝っているデザインにも、気力的に負けてしまい、うまく着こなせませんでした。くやしいので、このニットはクローゼットでスペースを取るからどなたかにさしあげたい、ということにしておきます。ボリューミーなニット、まだ今年の冬に間に合うのでよかったらぜひ......。
辛酸なめ子
1974年、千代田区生まれ、埼玉育ち。漫画家・コラムニスト。著書に、『消費セラピー』(集英社文庫)、『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)、『女子の国はいつも内戦』(河出書房新社)、『なめ単』(朝日新聞出版)、『妙齢美容修業』(講談社文庫)、『諸行無常のワイドショー』(ぶんか社)、『絶対霊度』(学研)などがある。