2012/9/23

【北京発】当局「鶴の一声」で反日デモ雲散霧消 それでも怖い「日本人の子供の臓器は高く売れる」の噂

デモの嵐があけて翌日、北京に平穏が戻ってきた。2012年9月19日、予測されていた北京での反日デモは実施されなかった。なんと北京市公安局が市民に携帯メールで、「大使館区域への抗議には行かないよう、また、良好な交通と社会の秩序の維持のため関係当局に協力してほしい」と市民に送ったという。

外国人の携帯には届いていない。さすが中国。国民に一斉メールを送るシステムがあるのかと、そっちの点でびっくりした。日本大使館付近に行ってみたら、18日には1万人、といわれたデモ隊が、19日には1人もいない。閉鎖されていた道路も車が通行できるようになった。

大使館そばの日本人向け公寓

大使館の斜め前にある日本人が多く住む公寓前。デモが明けた9月19日も正門前と道路の間は、二重の柵で仕切られ、警官が警備中。
大使館の斜め前にある日本人が多く住む公寓前。デモが明けた9月19日も正門前と道路の間は、二重の柵で仕切られ、警官が警備中。

襲撃を受けた日系店舗を別にすれば、今回北京で、反日デモによる被害を最もこうむったのは、大使館のすぐ向かいの日本人が多く住む公寓の住民らだろう。この公寓は、一戸建てタイプ、日本と同様の間取り、お風呂も日本式という点が人気で住民のほとんどが日本人だ。

公寓内の小さなマーケットには日本の食材や調味料が豊富に取り揃えられ、門を出てすぐの通りには、寿司、ラーメンその他日本食レストランが軒を並べる通りがあり、日本人にとっては非常に住みやすい環境にある。この中にだけいれば、ミニ日本。中国語も英語も不要、という環境だ。

日本人公寓に住む利点はもう一つある。多くの駐在員が妻子を連れている。2、3年後に帰国することを考えると、日本人学校に子供を入れる家庭が多い。日本人が多い公寓に住むと、子供は放課後、帰宅して自由に友達と遊べる、という利点がある。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]妻と子供たちは半ば軟禁状態
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