先週から北京では本当に珍しいほど気持ちよく晴れる日が続いていた。北京日本人学校が運動会に予定していた2012年9月15日(土)も、在中国米国大使館が発する大気汚染情報Beijing Airでは、Moderate(良)。昨年来、北京の大気は、よくてUnhealthy for Sensitive Groups(軽微汚染)、たいていはUnhealthy、(軽度汚染)かVery Unhealthy(中度汚染)で、ときどきHazardous(重汚染)、というもので、Moderateという日は本当に稀有。運動会日和の日だった。
「大勢の出入りのある集会は避けるように」
反日デモで延期となった北京日本人学校運動会当日の大気汚染はVery Unhealthy。近くのビルも霞む
しかし反日デモの激化で、運動会は21日に延期。17~19日は休校となり、20日にようやく通常授業が再開。日本大使館前の日本人公寓で、道路との間の柵が撤去されておらず通学バスの出発が2時間遅れるという事態が生じたものの、児童生徒はなんとか登校でき、翌日の運動会も開催されるだろうと思われていた。
しかし、学校側の決定は「保護者も含め、外部からの出入りのない状での校内運動会とする」というもの。北京市公安局から「大勢の出入りのある集会は避けるように」との指導があり、日本大使館からも「安全面に配慮して、通常の運動会は避けた方がよい」との助言があったという。親が見に行けない運動会なんて、と保護者らは落胆している。休校になる以前から、開会式の練習で中国国歌は大きな音で流し、日本の国歌は小さい音で流す......という「気配り」もされていたらしいと聞くが、やはりだめだったか、というところだ。
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