2012/3/14

「会社に展望ない」グチる出版社男、「100年後に役に立つ」と大学研究男―どっちも仕事好き

春は出会いと別れのシーズン。新しい職場に飛び込む人もいれば、これまでの仕事をリセットする社会人も多い。送別会で送りだす人を「あいつは人生を考え直した」と羨ましくも「厳しい社会情勢でこの先どうすんの」と、残った我が身に優越感を覚える人も少なくない。それはどこの業界も同じなのだろうか。エンタメ業界に身を置いている者からすれば、「どうせまた戻ってくるんでしょ」という眼差しで送り出すケースが多々ある。さまざまな理由で業界から去ったものの、その後に収録や撮影現場で再び顔を合わせることが多いからだ。ガムシャラに働いてこんな給料かと悲鳴を上げ、体や心を壊して、離職率も高い業界なのに復帰する人が数多くいる。理由は人それぞれだろうが、やっぱりこの世界が好きだったんじゃないのとも思える。

若手社員の「会社辞めます」に甘えるな!

仕事が終わり、女1人でふらりと呑みに行きたくなることがある。そんなある夜、とある小料理屋で外の寒さにも関わらず額に汗しているような50代半ばのサラリーマンが愚痴っていた。

「この世に、展望がある仕事なんてあるわけねぇだろ」

出版社勤務の彼はその日、入社数年の若手社員に退職したいと告げられたのだという。業界に将来の展望を見いだせなかった若手社員の気持ちも分かる。ただ、彼は「この先の人生、頑張ってくれ」と言って退職を受理したものの、心の中では「展望のある仕事なんてないのに甘えるな!」と苦々しく思っていたようだった。

* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。

[続き]「未来の人類にとってとても重要なんだ」
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