ものすごく欲しいわけでもない。でもなんだか気になる商品に出合えた時、ちょっと幸せを感じる。とくに女性は買い物が大好きな動物。哀しい時、気分が落ち込んでいる時は買い物をして気持ちを発散し、嬉しい時、いいことがあった時は自分へのご褒美も兼ねてやはり買い物をする。
女にとって買い物という行為は、単なる消費行動ではないとある小冊子に書かれていて、まったくもってその通りだと深くうなずいた。それは何も大きな買い物や高価なものを買った時ばかりにあらず。むしろ、プラっと入った店で、値段も手ごろなかわいらしい小ぶりのピアスを見つけた時、レジに並ぼうとした時にふと目にとまったお菓子が美味しかった時などのほうが、日々の小さな幸せになる。あるデータでも、女性の方が男性よりも買い物が幸福感に結び付きやすいと出ていた。買い物に幸福を感じない男性は26.5%、女性は13.0%なのだそうだ。
「『普通の男でいい』の普通は0.8%」「年収600万円以上の男性の競争率10倍」
ある日、書店で以前から気になっていたが、他店にはなかった本と出合うことができた。コンサルティング業だった男性が婚活ビジネスに参入し、婚活の現状を数字で読み解くという内容だ。発売された初夏ごろにちょっと話題にもなったので、ご存知の方も多いかもしれない。いつか番組に化けるかもしれないと思いながらつれ忘れていたのだが、偶然見つけたのでウキウキしながら中身を確かめることもなく即購入。
さてその中身は...。たとえば「どの女性も言う『普通の男でいい』の普通は0.8%しかいない」「自然の出会いで交際する確率は0.24%」「年収600万円以上の男性を巡る競争率は10倍以上」など、グワッと心をわしづかみにされるような数字のオンパレード。どれもコンサルタントの著者が、統計などから方程式を導き出した恋愛の数字らしい。
独身彼氏ナシの30代女にはゾっとするような数字ばかり。それもこれも32歳彼氏ナシの女友達のぼやきを聞いたばかりだったからだ。彼女は以前から結婚しても生活水準は下げられない、夫の家の娘にはなりたくないと言い続けている。そして、男性を見る目は年々上がる一方で、自分のセンスに合わない男性は全て門前払い。音楽のセンスが合わない、会話や笑いのセンスが合わない、ファッションセンスが合わない、料理のセンスが合わないなど、あげればキリがない。それを過去のデートなどから例を上げて、面白おかしく自嘲ぎみに話してくれるので、彼女は女子会ではいつも人気者。友人なので彼女の幸せを心から願っているが、その結婚条件を聞いていると、とてもじゃないが結婚はできないだろう断言できる。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。