1988年に誕生したロボットアニメーション「機動警察パトレイバー」の実写版「THE NEXT GENERATION パトレイバー」。「首都決戦」はシリーズ最終作となる劇場版だ。監督、脚本はアニメ、実写版シリーズの両方を手がけてきた押井守。
日本の怪獣映画に通じるカタルシス
20世紀末。人間型ロボット「レイバー」による犯罪を取り締まるため、警視庁は「特車二課パトレイバー中隊」を結成した。時は流れて現在、東京・お台場のレインボーブリッジが、陸上自衛隊から強奪された最新鋭ヘリ「グレイゴースト」に破壊される。攻撃の主は天才パイロット・灰原零(森カンナ)らのテロリスト集団。ヘリ1機で都庁、警視庁を次々破壊するテロ集団を、後藤田体長(筧利夫)ら特車二課が迎え撃つ──。
リアルな現実世界が戦場になる非現実。日本の怪獣映画に通じるカタルシスが生まれる。アニメ「マジンガーZ」から始まった人間搭乗型ロボット作品としては、「機動戦士ガンダム」、「新世紀エヴァンゲリオン」へと受け継がれ、ギレルモ・デル・トロ監督「パシフィック・リム」(13)にもつながる。
巨大モデルとCGを合わせた高さ8メートルのロボットが登場する。CGのみの作品と違い、トレーラーに寝かされた状態で現れ、準備を経て戦闘態勢に入るアナログ型だ。ハリウッド映画「トランスフォーマー」などを見た目には拍子抜けかもしれない。しかし、精密なVFXで描かれる仮想現実、真野恵里菜らアニメ的美少女の活躍は、押井監督ならでは。監督の盟友である川井憲次の音楽も、アニメ・特撮ファンを満足させるだろう。
「THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦」(2015年、日本)
監督:押井守
出演:筧利夫、真野恵里菜、福士誠治、太田莉菜、堀本能礼
2015年5月1日(金)、全国公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。