ラーメン研究家おすすめ ~ジメジメした季節にピッタリ!夏ラーメン特集~
紹介してくれたのは、ラーメン研究家の石山勇人さん。
●スパイスを駆使した「スパイス・ラー麺 卍力(マンリキ)」(江戸川区西葛西)のスパイス・ラー麺(780円)
使用するスパイスは、辛さを引き出す山椒や唐辛子、ブラックペッパーに加え、香りを引き出すクミン、コリアンダー、八角やローリエなど全13種。スパイスを使いこなすご主人は、激辛ラーメンで有名な神田「鬼金棒」の出身。そんなスパイスの達人が絶妙なバランスで調合したというスパイスラーメンは、ただ辛いのではなく、一味や山椒の辛みの中に、カレー的な香りで、すごくバランスがとれているのだそう。
後から感じる甘みの正体は、隠し味のトマトペースト。玉ねぎにニンニク、ショウガをゆっくり炒めたところに、たっぷりのトマトピューレ、ヨーグルト、バターを加えてつくります。試行錯誤の末、たどり着いたおいしさの秘訣です。さらにトッピングのパクチーで爽やかさをプラス(パクチーをネギに変更可能)。このパクチーが入ることによりアジアン感のテイストも加えられて、女子好みの味!
ラーメン王子予想の今年流行のラーメンは"アジアンテイストなラーメン"ということなので、こちらは最先端のラーメンといえます。さらに、おいしいシメの食べ方があるのです。別でご飯を注文し、残ったスープに入れ、おじや風に。スパイスが効いたアジアンテイストのカレーライスが楽しめます。
●まぐろのうま味が凝縮された「ラーメン巌哲」(新宿区西早稲田)の鮪塩冷し(1100円)
とことん鮪にこだわった夏限定ラーメン。スープには鰹節ではなく鮪節を使い、鮪の深い味わいと上品な香りを堪能できる一杯です。
店主のこだわりは、鮪の燻製。あえて燻製にし、燻した香りを加えているのだとか。しかも鮪は天然もののみを使用。店主にはもう一つこだわりがあり、鮪を燻製にする前に醤油漬けにして食感も演出しているのです。
ちなみにこちらのご主人は、関西で自家製麺を広めた「麺哲」の出身。それだけに、麺にもこだわっています。ほどよいコシとモチッとした弾力を併せ持つ自家製麺と冷えたまぐろ出汁との相性は抜群です。
「鮪塩冷やし」は8月末までの期間限定。
●激戦区!高田馬場の名店が作る「麺屋武蔵 鷹虎」(新宿区高田馬場)の濃厚鷹虎つけ麺(1130円)と冷やし辛麻婆つけ麺(810円)
つけめんブームの火付け役とも言われる名店、麺屋武蔵の系列店。そんなお店の代名詞ともなっているのが『濃厚鷹虎つけ麺』です。濃厚なつけ汁とボリューム満点の麺。その上には巨大チャーシュー、豚バラ肉と肩ロースの2種類がのっています。
麺にはスープがしっかり絡み、濃厚な味わいでも後味がしつこくない! その秘密は14時間も煮込むスープです。まずは、動物系のうま味を抽出する豚に鶏、さらに香り豊かなカツオを入れ12時間煮込みます。そこに魚介の魚介の力強さを足すためさば節とイワシの煮干しを入れ2時間。魚介の風味をふんだんに効かせることで、濃厚ながらしつこさのない絶品スープに仕上がるのだそうです。
この夏発表した新作が『冷やし辛麻婆つけ麺』。麻婆というだけあって、しっかりした辛さがあるが、和テイストが残るのだそう。その訳は、つけ麺用にアレンジされた麻婆豆腐のつけだれ。ラーメンの世界観を壊さぬよう、ベースのスープにはカツオと昆布の和出汁に鶏清湯スープを合わせています。ラーメンスープと麻婆豆腐。意外なコラボが新しい、これまでにない新感覚の一杯です。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。