食べられる「肉」をプリンターで「作る」――そんな奇想天外な研究が、海の向こうで進む。
「皮と肉を『作る』――よりよい方法で」
そんな目標を大真面目に掲げているのは、2011年創設された米Modern Meadow(モダン・メドウ)だ。注目が集まる「3Dプリンター」技術を使い、立体的な食用肉を人工的に生み出すことを目指している。
医療向け「バイオプリンティング」を応用
こんなステーキもプリンターで作れる時代が来るかも?(イメージ)
すでに再生医療の分野では、細胞やたんぱく質などを元に人造皮膚などを作り出す「バイオプリンティング」の研究が進んでいる。モダン・メドウはこれを応用し、人造皮革、そして人造の「食肉」を作ろうとしている。
ウェブサイトでは、ハンバーガーの肉1枚を作るためにどれだけ多くの資源を消費しなければならないかを指摘し、「人造食肉」の生産に成功すれば地球資源の枯渇を防げる、とその意義を力説する。そして2050年までには、5億トンの「肉」を生産すると目標を掲げる。
現在はまだ「食べられる試作品」を作るべく研究中とのことだが、「PayPal」創業者のピーター・シール氏が出資したことなども話題となり、米CNNやTIME、CNETなどの大手メディアにも相次ぎ取り上げられた。
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