2016年2月3日、共同通信社が、全国の20~60代の男女1000人を対象にした、ビールに関する飲用実態調査の結果が発表されました。
それによると、2015年のビールの販売実績は前年比0.1%増の2億1490万ケースとなり、19年ぶりに前年を上回りました。一方、発泡酒と第三のビールをふくむビール類は0.5%減の4億2492万ケースで前年を下回っています。
各メーカーがビール強化の方針を掲げ、競争はますます激しくなりそうです。
上司や同僚と飲むのが好き、は低下
各社の伸び率を具体的に見ていきましょう。
ビール市場の占有率で首位のアサヒビールは5社の中で唯一のマイナス。キリンビールは「一番搾り」に注力し、21年ぶりの前年比プラスとなっています。
サントリービールは15年9月に発売した「ザ・モルツ」が当初販売計画の1.6倍の売れ行きで、前年比104.9%と最も伸長しています。サッポロビールは、「黒ラベル」が21年ぶりに前年の販売実績を超えました。
発泡酒と第三のビールを含むビール類の販売実績が前年割れする中、なぜビールが伸びたのでしょう。
ビール類のうち何が好きか尋ねたところ、ビールが好きな人が89.4%と大多数でした。今後ビールを飲む量は増えそうかについては、全体では「変わらない」と答えた層が大半を占めましたが、20代では45.5%が「増えそう」「やや増えそう」と答えており、若年層にビール回帰への動きが見られます。
また、ビールを購入するときに重視するのは「おいしさ」(78.0%)と答えた層が多数でした。今どきのビール好きはどんな特徴のビールを飲んでいるのでしょうか。
「うまみを感じる」(55.3%)「味わいがある」(48.8%)「コクがある」(47.1%)といった点への回答が多く集まりました。反対に、これまで好まれてきた「苦味がある」(17.5%)「キレがある」(26.5%)は伸び悩んでいます。
さらに「自分の好みに合ったビールを飲みたい」(77.3%)、「ビールには味わいを求める」(74.2%)、「ビールは家族や親しい友人と飲むのが好きだ」(65.0%)と考えていることも分かりました。
逆に「ビールは仕事の上司や同僚と飲むのが好きだ」(19.8%)「ビールは量を飲む方だ」(23.6%)といった項目にはあまり同意が集まりませんでした。
これもひとつの"時代の流れ"なのかもしれませんね。
今夜あたり自分好みのビールで、自分のスタイルで一杯、どうですか?
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。