映画「光をくれた人」/2人の母と困惑する娘 ミステリーのように作り込まれた物語

光をくれた人 映画

(C)2016 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC

離れ小島に流れ着いた赤ん坊を、わが子として育てる夫婦の愛と葛藤を描く「光をくれた人」。オーストラリアの作家M・L・ステッドマンの原作小説を、「ブルーバレンタイン」(10)のデレク・シアンフランス監督が映画化した。

「自分たちの子どもとして育てたい」

第一次世界大戦終結後の1918年。戦争で英雄になったものの、心に深い傷を負ったトム(マイケル・ファスベンダー)は孤独を求め、オーストラリア本土から160キロ離れたヤヌス島で灯台守になった。契約を交わすため一時戻った本土で、美しい娘イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)に会う。ひかれ合った2人は結婚し、島で暮らし始める。島へ来る船の定期便は3カ月に1度、本土に戻れるのは3年に1度だけだ。

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ところが、夫婦に思わぬ試練が訪れる。イザベルが2度流産したのだ。失意に打ちひしがれるイザベルを、見守ることしかできないトム。そんな時、島にボートが流れ着く。中を見ると男性の遺体のそばに、泣き叫ぶ女の赤ん坊がいった。イザベルは「自分たちの子どもとして育てたい」と懇願。トムは本土にうそのモールス信号を打ち、男性の遺体を土に埋めてしまった。

2年後。「ルーシー」と名付けられた赤ん坊は、トムとイザベルの愛情を一身に受けて育っていた。初めての洗礼式のため本土を訪れたトムは、教会の墓でむせび泣く女性ハナ(レイチェル・ワイズ)を見る。女性は「ボートで行方不明になった夫と娘の墓だ」と話した。ハナの身の上話を聞き、トムの心は揺れる。そしてハナに向けて匿名の手紙を出す──。

子どもに恵まれなかったトムとイザベル。思いがけず赤ん坊に出会い、育てながら葛藤する。背景には戦争で傷ついた心の痛みが見える。トムは灯台守として船に光を送り、海上の航路を照らす。しかし、灯台の真下で暮らす自分と妻に、神は幸せの光を与えてくれない。やがて「2人の母」は苦しみ、幼い娘は間にはさまれ困惑する。

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ファスベンター、ヴィキャンデル、ワイズの繊細な演技と、ミステリーのように作り込まれた物語。丁寧な演出が見る者の心を揺さぶる作品となった。

「光をくれた人」(2016年、米・豪・ニュージランド)
監督:デレク・シアンフランス
出演:マイケル・ファスベンダー、アリシア・ヴィキャンデル、レイチェル・ワイズ、ブライアン・ブラウン、ジャック・トンプソン
2017年5月26日(金)、TOHOシネマズシャンテほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトで。

記事提供:映画の森

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