(C)2017「愚行録」製作委員会
第73回ベネチア国際映画祭オリゾンティ・コンペティション部門出品作「愚行録」が2017年2月18日公開され、主演の妻夫木聡、満島ひかり、小出恵介、臼田あさ美、石川慶監督らが東京都内で舞台あいさつした。
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「まるで知らない映画を見るような感覚」
直木賞候補となった貫井徳郎の同名推理小説を映画化。ロマン・ポランスキー監督らを輩出したポーランド国立映画大学で演出を学んだ石川監督の長編デビュー作。人間の嫉妬やねたみ、羨みや駆け引きなど、日常的に積み重なる「愚行」が絡み合う様を描いたミステリーだ。
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主人公の週刊誌記者・田中を演じた妻夫木は、出演を決めた理由を「直感。石川監督の存在、原作に興味を持ち、やりたいと思った。原作は田中の目線で描かれておらず、性格や人間像が想像できず期待も多かった。満島さんときょうだいを演じ、話をしなくても通じ合う部分があり、とても安心した。心強かった」と語った。
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妻夫木の妹・光子を演じた満島は「光子の生い立ちと似た人の話を石川監督と長くした。地に足がついていない感覚で『もしかしてこのやり方、間違っているのでは』と思った撮影だったけれど、一番シンプルに伝わる方法を見つけ、役を作り上げた」と振り返った。
撮影はポーランドのピオトル・ニエミイスキが担当。臼田は「監督の初長編作で、現場に新しい風が吹いていた。これほど共演者と顔を合わせてお芝居しない現場はなく、完成した映画を初めて見た時が一番新鮮だった。まるで知らない映画を見るような感覚」と話した。
作品について妻夫木は「深い泥沼に浸かり、あまり明るい話ではないけれど、確実に心に何かの傷跡を残す作品。人間の愚かさを感じ取ることができ、皆さんに役立つものもあるのではと思う」と話していた。
「愚行録」(2017年、日本)
監督:石川慶
出演:妻夫木聡、満島ひかり、小出恵介、臼田あさ美、市川由衣
2017年2月18日(土)、全国公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。