映画「セル」/スティーブン・キングが放った皮肉 ホラー映画ファンも満足の仕上がり

セル 映画

(C)2014 CELL Film Holdings, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

小説家スティーブン・キングが自作を脚本化し、映画化されたアクションホラー「セル」。コミック作家のクレイ(ジョン・キューザック)は、ボストンの空港で妻子に電話するが、電池切れで通話が途切れる。すると携帯電話で話していた周りの人たちが突然暴徒化。空港はパニック状態に。地下鉄に逃げたクレイは、車掌トム(サミュエル・L・ジャクソン)と少女アリス(イザベル・ファーマン)の協力で、家族が待つニューハンプシャーを目指す──。

キング作品は「キャリー」(76)、「シャイニング」(80)、「ミザリー」(90)、「ミスト」(07)など続々と映画化されてきた。今回はキューザックが製作総指揮を務め、同じキング原作の「1408号室」(07)でコンビを組んだジャクソンが共演。「パラノーマル・アクティビティ2」(10)のトッド・ウィリアムズがメガホンを取った。

テンポの良い監督の演出

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米国で携帯電話は「セル」。原作が出版された06年は、携帯電話が急速に普及した時期だった。携帯を通して人間が凶暴になり、周りの人々を襲っていく。死者が蘇り襲う「ゾンビ」に設定は似ており、群れになって素早く襲う様子は最近のゾンビ映画と共通する。

ボストンの空港で突如パニックに巻き込まれるクレイ。「奴ら」から逃げる視点で物語は展開する。地下鉄から街へ移動しながら、途中で偶然出会った人たちと徒歩、車でニューハンプシャーへ向かう。移動型のサバイバル劇だ。

人々は携帯電話のノイズで暴れ始めるが、終末的な状況でクレイを突き動かす原動力は家族愛だ。息子に会うため「奴ら」と戦う姿は、同じキング原作「ペット・セメタリー」(89)を思い起こさせる。死んだ息子を蘇らせるため、禁断の方法に手を染める主人公だった。

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今回は携帯電話に依存する現代人に、キングが放った皮肉を感じる。原作が発表された10年前、すでに携帯依存の恐ろしさを描いた先見性は見事だ。平和な日常が一変する瞬間が、たたみかける残酷描写で描かれる。テンポの良い監督の演出、個性派俳優のひとくせある演技。ホラー映画ファンも満足の仕上がりとなった。

「セル」(2016年、米国)
監督:トッド・ウィリアムズ
出演:ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、イザベル・ファーマン、オーウェン・ティーグ、クラーク・サルーロ
2017年2月17日(金)、TOHOシネマズ 六本木ヒルズほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトで。

記事提供:映画の森

  • ATOHOシネマズ 六本木ヒルズ
  • 住所〒106-0032
  • 東京都港区6−10−2
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