(C)2016 TORIN, INC.
寡黙でストイックなケンジ(ハヤテ)は、女優を夢見て米国留学した妹マユミ(紗倉まな)が音信不通になり、不安を募らせ渡米する。マユミはそのころ、テキサス州の辺境で謎の組織「キャピタル・メサイア」にとらわれていた──。
「KARATE KILL カラテ・キル」は、海外市場を照準にアクション映画を製作するマメゾウピクチャーズの長編第2弾。主演は同社長編1作目でデビューした空手師範で俳優のハヤテ。監督、脚本はロス在住の光武蔵人だ。
日本での撮影は1日のみ
物語はいたってシンプル。幼いころに両親を亡くした兄が、行方不明の妹を探して単身米国へ乗り込み、カルト集団に殴り込みをかける。大部分を米国でロケし、日本での撮影は1日のみ。83分とコンパクトにまとめている。
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始まりは日本だ。自分の居場所を見つけられないケンジは、妹マユミが働いていた怪しげなクラブへ。用心棒とヤクザをバッタバッタとなぎ倒し、親玉から妹の行方を聞き出す。マユミはクラブで勤務中、カルト集団「キャピタル・メサイア」に拉致され、エルパソの巣窟に連れ去られた。集団は高額な会員制サイトを運営し、マユミは拷問や殺人のいけにえとしてとらわれていた。
ハヤテの空手アクションを大々的に取り上げた「KARATE KILL カラテ・キル」。クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲスが傾倒する1970年代B級映画、いわゆる「グラインドハウス」の流れを確信的に現代に蘇らせた。銃社会米国で素手だけで戦う空手家は、神秘的ですらある。刺客の銃弾や日本刀を素早くかわす訓練は、スポ根ドラマさながらだ。ケンジは空手技一本でカルト集団を追い詰めていく。
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70年代に東映が製作した千葉真一、志穂美悦子主演の空手映画シリーズの遺伝子が受け継がれている。空手、パルクール、スプラッター、エロス。B級映画ファンが喜ぶ要素を満載し、荒唐無稽を貫く。空手アクションとB級映画ファンは必見である。
「KARATE KILL カラテ・キル」(2016年、日本)
監督:光武蔵人
出演:ハヤテ、紗倉まな、亜紗美、カーク・ガイガー、カタリナ・リー・ウォーターズ
2016年9月3日(土)、シネ・リーブル池袋ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトで。
記事提供:映画の森
作品写真:(C)2016 TORIN, INC.
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。