映画「ドロメ」男子篇&女子篇/新感覚ホラー 男子篇と女子篇、両方観て"全体像"がわかる

小関裕太

(C)2016「ドロメ」製作委員会

海が見渡せる山上にある男子高・泥打高校と、山のふもとにある女子高・紫蘭高校。来年の統合に向け、両校の演劇部が合宿することになった。颯太(小関祐太)ら男子部員、小春(森川葵)たち女子部員は、それぞれ出会いに期待と不安を抱いていた。女子たちは男子校へ続く山道を向かう途中、がけ下で泥まみれになった観音像を見つける──。

「ドロメ」は並行する時間軸で男子の視点から描いた「男子篇」と、女子の視点から描いた「女子篇」の2本からなる。青春ホラー作品として同時公開される新感覚のシンクロムービーだ。単体でも成立するが、両方見て初めて全体像が見えてくる。ちょっと意地悪な構成だ。

泥まみれの観音像「ドロメ」

監督は「先生を流産させる会」(11)で注目された新鋭・内藤瑛亮。今回はコミカルで甘酸っぱい青春とホラーをミックスさせた。男子、女子それぞれにしかないシーンもあるが、一緒になるメーンの場面は共通する。DVDソフトのマルチアングル機能を、さらに進化させた手法といおうか。

男女一緒の合宿は、高校生にとって一大イベント。浮足立つメンバーの陰で、怪奇現象が発生する。泥まみれの観音像「ドロメ」が伝える土石風俗と、男子校で失踪した女性教師のエピソード。ざわつく気配が生徒たちに忍び寄る。甘くゆるい青春描写が続く中、緊張感を生む教師の桐越(東根作寿英)がポイントになる。

ベートーヴェンの交響曲「第九」に乗せて描かれる生徒たちとドロメの死闘。ドロメとゾンビの相違点も興味深い。男子、女子それぞれの主人公、颯太と小春が抱き続けたトラウマ克服の物語でもある。新ジャンルを開拓した内藤監督の次にも注目したい。


「ドロメ」男子篇&女子篇(2016年、日本)
監督:内藤瑛亮
出演:森川葵、小関裕太、中山龍也、三浦透子、大和田健介
2016年3月26日(土)、シネマート新宿ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

記事提供:映画の森

(C)2016「ドロメ」製作委員会

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小関裕太

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