女性のカラダに嬉しい「西京味噌」の食べ方 料理研究家・大原千鶴さんに教わるマル得レシピ
「西京味噌」とは、関西地方、特に京都を中心に作られている白味噌のこと。普通の味噌と比べて米麹の割合が高いこと、短期熟成型ゆえの原料の質の良さが特徴です。
実はこの西京味噌、女性にも嬉しい要素がたくさんあるんです。今回、この西京味噌の使い方について「きょうの料理」(NHK)などでも活躍されている料理研究家の大原千鶴さんに聞いてみました。
料理ニガテ記者も「家で作りたい」と開眼したシチュー
「西京味噌の特徴は、うまみと麹のうっすらとした甘み、そして塩分が少ないこと。同じ味噌といっても、他の味噌とは似て非なるものです」
大原さんは西京味噌を使った家庭でも簡単に楽しめるレシピを開発しており、そのうちのひとつが、「西京味噌ホワイトソース」。作り方は西京味噌と豆乳を1:2の比率でよく混ぜるだけ、というお手軽さにも関わらず、色々な料理に使える魔法のソースです。
「ホワイトソースをつくろうと思うと、カロリーや塩分、油にこんなに使うのか、とげんなりしてしまう女性も多いと思います。でも西京味噌は塩分が少なく、豆乳はカロリーが低い。女性のからだにもやさしいんです」
このソースを使った1番人気メニューが「白みそシチュー」です。大原さんが開いたレッスンでも、とてもおいしい、普段から作りやすいと驚きの声が多くあがったとのこと。京風になじみがない人も親しみやすい味です。(2ページ目にレシピ公開)
大原さんお手製の「白みそシチュー」を記者もいただきました。一口飲んで、そのコクにびっくり。でもラードのような重たさは全くなく、胃にやさしくて落ち着く味わいです。味噌なのにしょっぱくなくて、麹の甘みがじんわり舌からからだへと染み入ります。
今回はかぶ、金時にんじん、ごま麩、鶏肉と和風な具材が中心でしたが、それほど"和風"と主張するような味ではないので洋風の具材にもばっちり合います。これは家に帰ったら自分でも作ろう、と記者はその場で決心したのです。
次のアレンジグルメは「西京味噌ペースト」。こちらは西京味噌と練りごま、砂糖を1:1:1の割合で混ぜるだけ、というまたしても楽ちんなレシピ。パンに塗っていただきます。
ソースよりも"味噌そのまま"感があり大丈夫かな? と思いますが、食べてみるとピーナッツクリームのような味なんです。ごまの香ばしさと味噌の塩気が絶妙に交じり合い、濃厚なペーストに仕上がっています。塩分の少ない西京味噌だからできる味で、上等なパンを買いたくなります。
ですが、「調味料を買ったはいいものの、少し使ってあとは冷蔵庫に放置...」という人も多いはず。西京味噌って他にどんな風に使えるのでしょうか?
「水炊きやシチュー、カレーなどにひとさじ入れると、麹の甘さがコクやうまみをプラスして味を引き立ててくれます。和にも洋にも、色々な場面で使えますよ」
料理の隠し味・決め手として、西京味噌はさまざまな場面で活躍しそうです。
最後に大原さんにおいしい料理を作るためのポイントを尋ねると、「素材の味を活かすこと」。だそうです。
「たとえば冷蔵庫にある野菜も新鮮なものとしなびかけたものとさまざまだったり、でもそれぞれ活かし方があります。時間がなかったりありあわせで作ったりという場面もありますが、素材と予算(家計)と楽しみ、状況に合った調理をすることでおいしくなるんですよ」
大原さんのやさしさあふれる料理の数々は、こんな気持ちから生まれているんですね。
記者もすっかりときめいてしまった西京味噌の万能ぶり。特に「西京みそシチュー」はまだまだ冷えこむ冬の夜にほっこりとした気分にさせてくれるやわらかな味わいです。忙しい人も簡単なのでぜひ試してみてくださいね。
* 記事内容は公開当時の情報に基づくものです。